2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22570160
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
神谷 成敏 大阪大学, 蛋白質研究所, 特任研究員 (80420462)
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Keywords | 構造・機能予測 |
Research Abstract |
1プログラムの並列化:ドッキングを高速化するために、同法が実装されている分子動力学(MD)計算プログラムprestoのMPIによる並列化と単純並列化を行った。MPIによる並列化では、先行研究のリゾチームと糖の系(総原子数=3268)と3に示す抗原と抗体の系(総原子数=11371)に対して、それぞれ、1 CPUと4 CPUの実行時間の比を求めた。リゾチームと糖の系では2.20倍、抗原と抗体の系では2.91倍に加速され、特に原子数の多い系で並列化が有効であることがわかった。単純並列化では、アラニン10残基からなるペプチドに対して、1本の長いマルチカノニカルMD(McMD)と複数本の短いMcMDから得られた自由エネルギー地形が同等であることが示された。2血液凝固因子FXaと阻害剤とのドッキングMcMD : FXaと高い親和性をもつ阻害剤(リガンド1)と低い親和性をもつ阻害剤(リガンド2)に対して電子状態解析を行い、シミュレーションに用いるパラメータを作成した。FXaとリガンド1のMcMDが完了し、常温における構造アンサンブルを得た。常温のアンサンブル中には、報告されている複合体の結晶構造に非常に近い(リガンドのrmsd<1Å)の構造が含まれ、複合体予測に成功した。また、リガンド解離状態から結合状態への経路が求められ、この経路に沿ってリガンド1と2のFXaとの結合自由エネルギーを算出したところ、実験で得られている親和性を定性的に再現する結果が得られた。3抗原一抗体間のシミュレーション:抗ダンシル抗体のMDシミュレーションを行い、抗体の抗原認識部位の構造変化がポピュレーションシフトモデルによって説明されることを示した。抗ダンシル抗体とその抗原であるダンシルリシンのドッキングシミュレーションを行った。必要な計算の1/2ほどが終了している。
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Research Products
(4 results)