2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22570162
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
久冨 修 大阪大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (60231544)
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Keywords | 転写因子 / LOVドメイン / bZIPドメイン / DNA結合タンパク質 / 光形態形成 |
Research Abstract |
オーレオクロームの機能メカニズムを明らかにすることを目的として、平成23年度はそれぞれの領域ごとの性質を調べ、以下のような成果を得た。 1.発現・精製条件の改良 発現条件や精製のプロトコールを精査することによって、オーレオクローム1(AC1)全長を含めた組換えタンパク質を、多量にかつ安定的に得ることができるようになった。 2.部位特異的変異体の作成 AC1の光反応の暗状態への回復速度に影響を与えると考えられている4つのアミノ酸(V220,F298,V300,Q317)を置換した部位特異的変異体を作成し、それらが実際に暗回復過程に影響を及ぼすことを示した。また、塩橋を形成させるように作成した変異体(Q248E/Q289K)も作成し、性質を調べた。作成した部位特異的変異体は15種を超えている。 3.AC1の光反応とDNA結合能の解析 AC1およびその変異体に関して、分光学的な解析を行った。その結果、他のLOVタンパク質において発色団であるフラビンモノヌクレオチド(FMN)の近傍に存在するとされるアミノ酸を置換すると、光照射後の戻り反応が影響を受けることが示された。このことは、AC1が他のLOVタンパク質と同様な構造をとっていることを示唆している。また、動的光散乱を測定し、光照射によりAC1の流体力学的半径が増大することを示した。 4.光制御型転写調節システムの構築: AC1を用いて転写調節を行うためのプラスミドベクターを作成し、それを用いて予備的な実験を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した研究計画のうちで、キメラタンパク質に関しては作成されていないが、予定した数以上の変異体を作成した。また、蛍光偏光解消法にかわって動的光散乱法を用いて、光照射前後のオーレオクロームの構造変化に関する知見が得られたので、計画全体としては「(2)おおむね順調に進展している。」に該当すると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
光照射によるオーレオクローム(AC1)とDNAの結合力の変化は、微小である可能性がある。今後の研究としては、AC1とDNAとの結合の強さを詳細に解析することが重要であると考えられる。そこで、ゲルシフトアッセイに加え、動的光散乱法、蛍光偏光解消法、FRETなどの生物物理学的測定手法を用いて、結合の強さを定量化していく。また、光による転写制御システムについても、実際に条件検討を行っていきたい。
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[Presentation] Photoreaction of a light-regulated transcription factor, AUREO12011
Author(s)
Hisatomi, O., Takeuchi, K., Murakami, T.,Takahashi, F., Kataoka, H.
Organizer
日本生物物理学会第49回年会
Place of Presentation
兵庫県立大学(兵庫県)
Year and Date
2011-09-18
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