2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22570164
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
橘 秀樹 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (70126118)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 稔 立命館大学, 薬学部, 教授 (00241258)
藤澤 雅夫 近畿大学, 生物理工学部, 准教授 (20258065)
河野 良平 和歌山県立医科大学, 医学部, 博士研究員 (70569110)
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Keywords | リゾチーム / アミロイド / 線維形成 / クロスシーディング |
Research Abstract |
ニワトリリゾチームのアミロイド線維コアの形成に関与すると推定される蛋白質中の4ヶ所のペプチド領域A,B,C,Dのうち、領域B(Gly54-Ser60)および領域C(Asn106-Arg112)について、ペプチド単独で自発的にアミロイド線維を形成することを、チオフラビン蛍光測定および原子力間顕微鏡観察により確認した。領域Bペプチドの線維形成は速やかで、太い線維を形成する。領域Cペプチドの線維形成はそれよりも遅く、線維は細い。領域AおよびDペプチドは、これまで試した条件では自発的にはアミロイド線維を形成しない。Bペプチド部はWTリゾチーム中では分子内β構造部分に、また、AおよびDペプチドはヘリックス構造部分に相当していることと符号する結果であり、Bペプチド部がアミロイド線維コアの形成に最も大きな役割を果たすことを示す。各ペプチド領域欠損体は現在作成中であり、それらのアミロイド線維形成反応解析により、この結論が裏付けられるかどうかを検討したい。一方、Bペプチドのアミロイド線維形成を計算機科学的に解析するために、MMFF94S力場を用いた配座解析を行い、初期構造としての低エネルギーコンフォーマーを検討した。また、アミロイド線維の自発的形成とは別に、その伸長反応部分のみを解析するために、WTリゾチームアミロイド線維をシードとして、種々の蛋白変異体を加えてクロスシーディング線維伸長反応を見る系を開発した。さらに、ヒト神経芽細胞株を用いて、アミロイド線維アミロイド線維の細胞毒性試験を行なう系を作製した。
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