2012 Fiscal Year Annual Research Report
DNA複製・修復因子RPAによる熱ショック転写因子HSF1の転写制御機構
Project/Area Number |
22570171
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
藤本 充章 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (80359900)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | HSF1 / RPA / FACT / 転写 / がん |
Research Abstract |
熱ショック因子(HSF1)は老化や老化と関連する病気を抑制すると同時に、がんの発生や進展を促進することが知られている。これまでの解析から、申請者はHSF1がDNA複製と修復に関与するRPA(Replication protein A)と複合体を形成し、ヒストンシャペロンFACTをリクルートすることでDNAに安定に結合することを示した。今回、この複合体が腫瘍形成に必要であることを明らかにした。 HSF1はwinged helix-turn-helix型のDNA結合ドメインをもつ転写調節因子で、特定の構造をとらないwing motifが転写活性と関連していることが知られていた。このwing motifの87番目のグリシンをセリン(HSF1G87S)またはアラニン(HSF1G87A)に置換するとRPA1と相互作用しないことを明らかにした。DNAマイクロアレイ解析により、HSF1に依存する遺伝子群のうち70%のものがRPA1にも依存し、一部の遺伝子プロモーターを解析したところ、すべてにおいてHSF1-RPA1複合体がリクルートされていた。内在性のHSF1をHSF1G87SまたはHSF1G87Aに置換すると、この複合体はこれらのプロモーター上に全くリクルートされなかった。HSF1とRPA1に依存する遺伝子群にはがん細胞の増殖に関与する遺伝子が多く存在した。そこで、ヒト悪性黒色腫の細胞株のHSF1をHSF1G87Aへ置換すると、細胞増殖が顕著に抑制され、さらにマウス体内でも腫瘍を形成しないことが明らかとなった。本研究により、HSF1-RPA1の相互作用を断ち切る化合物を見いだすことで、がん治療に貢献できる可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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