2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22570172
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山本 健 九州大学, 生体防御医学研究所, 准教授 (60274528)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田平 知子 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教 (50155230)
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Keywords | PCAF / リジンメチル化 / アセチル化 / 転写 |
Research Abstract |
一部の非ヒストンタンパクの分子機能がヒストンメチル化酵素によるリジン残基のメチル化修飾により機能制御を受けることが知られている。p300/CBP-associated factor (PCAF)は多くの細胞機能にかかわるアセチル化酵素であり転写制御因子として機能している。申請者はPCAFがメチル化酵素Set9の基質となることを見出し報告した("Multiple lysine methylation of PCAF by Set9 methyltransferase. "BBRC 2009)。本研究ではこの成果をさらに発展させ,リジン残基メチル化によるPCAFの分子機能変化ならびに生物学的意義を解明する。 本年度は,メチル化PCAFを細胞より精製し,in vitroでのメチル化PCAF分子の機能を検討した。HEK293細胞に,Mycタグを付加したPCAFを導入し,それに加えて,メチル化を促進する目的で野生型SET9を導入した。メチル化PCAFを抗PCAFメチル化抗体および抗Myc抗体の2段階で精製した。コントロールとして,MycPCAFとメチル化活性部位に変異を有する変異SET9を導入した細胞より,抗Myc抗体によって精製したPCAF分子を準備した。それぞれにおいて精製されたPCAFを抗PCAF抗体および抗メチル化PCAF抗体を用いて確認した。大腸菌にて作成したGST融合p53分子とメチル化PCAFあるいはコントロールPCAFを反応させp53分子のアセチル化を検討したところ,メチル化PCAFにおいてはアセチル化活性が減少していた。さらにGST融合ヒストンH3を基質として検討したところ同様の結果が得られた。以上の結果は,メチル化によってPCAFのアセチル化活性が,少なくともP53やH3に対して低下することをin vitroで示したものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでの2年間で、メチル化PCAFと非メチル化PCAFの機能差が、PCAFが有するアセチル化活性の変化として捉えられたから。
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Strategy for Future Research Activity |
PCAFが有する機能の最終的なアウトプットは遺伝子発現制御である。今後は、遺伝子発現がどのようにメチル化の影響を受けるかを明らかにする。
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