2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヒストン修飾間相互作用による遺伝子転写開始制御機構の解析
Project/Area Number |
22570173
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中川 武弥 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (50363502)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 敬 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (90306275)
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Keywords | 遺伝子転写制御 / ヒストン修飾 / クロストーク |
Research Abstract |
本年度はヒストンH2Aのユビキチン化と、H3の4番目のリジンのメチル化によるクロストークが遺伝子転写を制御しているメカニズムの解明を試みた。H3の4番目のリジンのメチル化がヒストンH4のアセチル化を促進するというデータが既に得られている。そこでヒストンH4内でアセチル化の修飾を受け、遺伝子転写制御に関与すると知られている5番、8番、12番、16番目のリジンに変異を加え、アセチル化の修飾を受けなくした組換えタンパク質を作成した。この変異を持つヒストンを用いて作成したクロマチンからの試験管内での遺伝子転写実験を行うことにより、ユビキチン化・メチル化によるクロストークのヒストンH4のアセチル化への影響を確認することが可能であり、実験は現在進行中である。この結果によりヒストンのユビキチン化、メチル化、アセチル化という一連の三つの修飾による遺伝子転写制御のカスケードが明らかになる可能性がある。 また、本年度は他研究室との共同研究において、polycomb複合体によって転写が抑制されている遺伝子群から、ZRF1がpolycomb複合体を解離させることによって遺伝子転写活性化を促進していることを明らかにした。このZRF1はUSP21によるH2Aの脱ユビキチン化活性を促進することも明らかにしている。USP21による脱ユビキチン化は我々が注目しているヒストン修飾のクロストークにおいて重要な役割を担っており、USP21とZRF1の関連性は、このクロストークの発生段階への関与を示唆するものである。
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Research Products
(1 results)