2011 Fiscal Year Annual Research Report
ヒストン修飾間相互作用による遺伝子転写開始制御機構の解析
Project/Area Number |
22570173
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中川 武弥 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教 (50363502)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 敬 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (90306275)
|
Keywords | 遺伝子転写制御 / ヒストン修飾 / クロストーク |
Research Abstract |
本年度は昨年度に引き続き、ヒストンH2Aのユビキチン化とH3の4番目のリジンのメチル化によるクロストークが遺伝子転写を制御しているメカニズムの解明を試みた。 H3の4番目のリジンのメチル化がヒストンH4のアセチル化を促進するというデータが既に得られている。 昨年度はヒストンH4内でアセチル化の修飾を受け、遺伝子転写制御に関与すると知られている5番、8番、12番、16番目のリジンに変異を加え、アセチル化の修飾を受けなくした組換えタンパク質の作成を行っている。 この変異を持つヒストンを用いて作成したクロマチンからの試験管内での遺伝子転写実験を行うことにより、ユビキチン化・メチル化によるクロストークのヒストンH4のアセチル化への影響を確認することが可能である。 本年度はこのヒストンH4のアセチル化を行うアセチル化酵素の同定を試みた。 既存のヒストンH4アセチル化酵素の組換えタンパク質を作成し、現在はその転写活性化への影響を解析している。 また、本年度は試験管内での遺伝子転写解析手法の改良を行った。これまでは放射性ラベルをしたプライマーを用いてのプライマーエクステンション法により遺伝子転写量を定量していたが、RT-PCR法による検出を可能にしたことにより、より高い感度で正確な定量を行えるようになった。 これはヒストン修飾のクロストークによる遺伝子転写制御機構の解析を進めるにおいて大変意義のあることである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
目的を達成する為に必要な材料の準備と、有効な手法の改良が行えている。残り1年での計画通りの進展が期待できる。
|
Strategy for Future Research Activity |
ヒストン変異体を含むクロマチンを作成し、脱ユビキチン化酵素、メチル化酵素、アセチル化酵素を組み合わせて反応を行った上でIn vitro転写を行う。転写産物をRT-PCR法で定量化する。この結果によりヒストン修飾間の相互作用による遺伝子転写制御機構を解析する。
|