2010 Fiscal Year Annual Research Report
RAMPと相互作用するGPCRの網羅的探索と複合体機能の解析
Project/Area Number |
22570175
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
樋野 展正 独立行政法人理化学研究所, 拡張遺伝暗号システム研究チーム, 研究員 (90469916)
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Keywords | 膜タンパク質 / 非天然型アミノ酸 / クロスリンク / RAMP1 / GPCR / 質量分析 / SILAC法 |
Research Abstract |
「in vivO光クロスリンク法」と質量分析を組み合わせることによる内在性相互作用因子の同定法の確立 本研究のテーマであるRAMP1の相互作用因子の同定にむけて,細胞内で生じたクロスリンク複合体の構成成分を質量分析によって解析する手法の開発を行った.具体的にはHEK293細胞中に光クロスリンカーとして働く非天然型アミノ酸を部位特異的に導入したGRB2アダプタータンパク質を発現させ,細胞に光を照射した後,この分子とクロスリンクした内在性タンパク質群を質量分析によって同定することを試みた.この変異型GRB2は,自身のSH2ドメインのリガンド結合部位近傍に非天然型アミノ酸を含み,タンパク質としては全長を発現する.質量分析法としては比較定量的質量分析法であるSILAC法を用い,クロスリンクした分子をクロスリンク非依存的な共精製産物と区別して同定した.この結果,GRB2-SH2ドメインの既知相互作用因子であるEGFRとSHP2に加え,新規相互作用因子としてAF6やGIT1,また,hnRNPFを含む複数のRNA結合タンパク質が同定された.AF6やGIT1は膜近傍に存在するタンパク質複合体中に含まれ,また,その配列中にGRB2-SH2結合配列が見出されたことからアダプタータンパク質であるGRB2の結合因子として妥当であると考えられた.一方で,RNA結合タンパク質とGRB2-SH2の相互作用に関する情報は殆ど無く,その相互作用様式は不明であった.そこで,GRB2とhnRNPFの詳細な相互作用解析を行い,両者の相互作用が細胞質内および核内で生じうること,GRB2のSH2ドメインとhnRNPFの2番目のRRMドメインとが相互作用すること,また,両者の相互作用にはリン酸化が必須ではないことを示した.これらの知見はGRB2がRNAの輸送や代謝にも関与する可能性を示唆するものである
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Research Products
(5 results)