2010 Fiscal Year Annual Research Report
DNA損傷回復制御機構の解明:細胞は如何にしてDNA損傷から回復するのか?
Project/Area Number |
22570180
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
小西 昭充 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 特任助教 (50381877)
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Keywords | DNA損傷 / 細胞周期 / 分子生物学 / ケミカルスクリーニング / 癌抑制 |
Research Abstract |
細胞は染色体DNAが損傷を受けた場合、チェックポイントを活性化して細胞周期を停止すると同時にDNA修復を行うが、修復が完了すれば再び細胞周期を再開させる。この細胞周期を再開させる仕組み(細胞周期回復機構)についてはほとんどわかっていない。本研究は、この細胞周期回復機構の分子メカニズムの解明を目指す。このために、本研究課題では、1)細胞周期回復機構に関与する分子を同定し、2)その生理的役割の解析および3)回復機構の制御による抗腫瘍効果の検討を企図している。 本年度は細胞周期機構に関与する分子の同定のためにハイスループットケミカルスクリーニングを行った。12,000種以上の低分子化合物についてスクリーニングを行い、DNA損傷チェックポイントの回復経路を阻害する候補化合物33種類を同定することが出来た。これらの化合物の多くは、癌細胞株に対して著明な増殖抑制効果を有していた。 さらに、最終候補化合物についてケミカルデータベースを用いた検索の結果、複数の化合物が同一の酵素を阻害する可能性が高いことが判明したので、この酵素に着目して解析を進めた。この酵素に対する特異的阻害剤がDNA損傷回復を著明に抑制すること、この酵素の発現をRNAi法によって抑制するとDNA損傷回復が遅延することから、この酵素が細胞周期回復機構を制御していることが明らかとなった。この結果より、この酵素がDNA損傷回復機構の制御分子の有力な候補であると考え、現在詳細な機能解析を進めている。
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Research Products
(2 results)