2011 Fiscal Year Annual Research Report
MLF1-COP1-p53経路による細胞増殖およびオートファジー制御機構の解明
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22570186
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
加藤 規子 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (10252785)
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Keywords | 細胞増殖 / オートファジー |
Research Abstract |
前年度までの結果を踏まえて引き続き、MLF1-CSN-COP1経路がどのように細胞周期抑制およびオートファジーに関わるのか、相互調節機構が存在するのかについて検証することを目的とした。 また、前年度までの研究により、COP1には細胞内局在の異なるいくつかのsplice variantsが存在することを見いだした。これらは機能的にも異なると予想され、splice variantsを含めより詳細な解析を行った。 1.細胞周期抑制およびオートファジーにおけるCOP1の役割の解析:COP1の解析の過程で、COP1には細胞内局在の異なるいくつかのsplice variantsが存在し、核内局在を示すsplice variantsは野生型に対してオートファジーにおいて抑制的に働くことを見いだした。さらに、COP1過剰発現細胞では、紫外線照射によるオートファジー誘導能は著しく阻害され、ヌードマウスへの移植により腫瘍が形成されたことから、COP1はオートファジーを抑制することにより、細胞増殖を促し発がんに至ると考える。 2.細胞周期抑制およびオートファジーにおけるCOP1のドメイン解析:E3ユビキチンリガーゼ活性を欠失したCOP1変異体では上記1のCOP1による腫瘍形成促進能は消失することから、COP1はオートファジー促進因子を標的として分解促進に導くと予想できた。COP1は細胞質内において紫外線照射後にFIP200と相互作用することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書に記載した目的は、ほぼ予定どおりに進行し、現在、すべての結果の取りまとめを行っている。想定外のトラブルもなく、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
計画した実験はほぼ予定どおりに進行しているので、現在すべての取りまとめを行い、論文として発表する準備を進めている。Splicing variantsの中には、促進的に働くものと抑制的に働くものが存在し、当初、混乱したが、個別に解析することで結論を得た。
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