2012 Fiscal Year Annual Research Report
MLF1-COP1-p53経路による細胞増殖およびオートファジー制御機構の解明
Project/Area Number |
22570186
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
加藤 規子 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教 (10252785)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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Keywords | 細胞増殖 |
Research Abstract |
白血病関連因子MLF1はCOP9 シグナロソーム(CSN)複合体の第3サブユニット(CSN3)と結合することにより、CSN複合体の下流で働くE3ユビキチンリガーゼCOP1の活性を抑制し、がん抑制蛋白質p53の分解を阻害して、細胞増殖を抑制する。さらに、このMLF1- CSN-COP1-p53経路は、DNA損傷ストレスによるp53活性化ばかりでなく、栄養飢餓により誘導されるオートファジーにおいても重要な役割を果たす応答経路である知見を得た。本研究では、COP1の機能解析を中心に、MLF1-CSN-COP1経路を介した細胞周期抑制およびオートファジーの相互調節機構が存在するのかを検証することを目的とした。 COP1の解析の過程で、COP1には細胞内局在の異なるいくつかのsplice variantsが存在し、核内局在を示すsplice variantsは野生型に対して抑制的に働くことを見いだした。また、COP1過剰発現細胞では、紫外線照射によるオートファジー誘導能は著しく阻害され、ヌードマウスへの移植により腫瘍が形成されたことから、COP1はオートファジーを抑制することにより、細胞増殖を促し発がんに至ると考えた。E3リガーゼ活性不活性化COP1 変異体では上記COP1による腫瘍形成促進能は消失することから、COP1はオートファジー促進因子を標的として分解促進に導くと予想できた。COP1は細胞質内において紫外線照射後にオートファジー促進因子FIP200と相互作用することを見いだし学術誌に報告した。さらに、MLF1ノックアウトマウスを作製し、MLF1欠損細胞にCOP1を導入すると、上記のCOP1形質が増強されることから、MLF1-COP1経路を介した細胞周期抑制およびオートファジーの相互調節機構の存在が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)