2011 Fiscal Year Annual Research Report
上皮細胞におけるカドヘリン・カテニン複合体局在化因子の探索
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22570188
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
永渕 昭良 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (80218023)
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Keywords | βカテニン / 上皮極性 / カドヘリン |
Research Abstract |
上皮細胞におけるβカテニン結合タンパク質の探索を行うため、前年度までに作成したβカテニン・Eカドヘリン二重欠損F9細胞に、βカテニンを発現させたところ、予想と反して、非上皮細胞においてEカドヘリン以外のβカテニン結合タンパク質が存在している可能性が示された。上皮細胞でのβカテニン結合タンパク質を同定するには、この非上皮細胞におけるβカテニン結合タンパク質の同定が必要と考えられた。今年度は、βカテニン・Eカドヘリン二重欠損細胞にβカテニンやカドヘリン-βカテニン融合タンパク質を発現させて、非上皮細胞における、カドヘリン以外のβカテニン結合因子の同定を試みた。しかし、タンパク質の発現量が低いためか、特異的なタンパク質を同定するまでには至らなかった。一方で、Eカドヘリン以外のβカテニン結合因子として想定されるTypeIIカドヘリンのF9細胞での発現を検討した。DNAチップ解析や文献上、カドヘリン6とカドヘリン11の発現の可能性が考えられた。これらのTypeIIカドヘリンのcDNAを取り寄せ、F9細胞に発現させたところ、外来性カドヘリン6とカドヘリン11は検出できたが、内在性の物は検出できなかった。RTーPCRを用いた解析においても、内在性のカドヘリン6とカドヘリン11の発現は検出レベル以下であった。これらの結果から、F9細胞にはTypeIIカドヘリン以外のβカテニン結合タンパク質が存在している可能性が高くなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
異動後、研究室の立ち上げはおおむね順調に進んでいるが、引っ越しなどでの研究の遅れを取り戻すまでには至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、上皮細胞でのβカテニン結合因子の単離を試みるが、非上皮細胞における新規βカテニン結合因子の単離も平行して進める。想定されるタンパク質の発現量が低い可能性、可溶化が難しい可能性などが見え始めているので、新規手法の開発なども試みる。
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Research Products
(1 results)