2011 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカツメガエル初期発生におけるミトコンドリア酵素の新規機能の解明
Project/Area Number |
22570204
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
岩尾 康宏 山口大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10144916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 秀一 山口大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (80363092)
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Keywords | 細胞分裂 / クエン酸合成酵素 / 細胞骨格 / Caイオン |
Research Abstract |
(1)細胞質型クエン酸合成酵素の分子機能の解明 細胞質型クエン酸合成酵素とミトコンドリア型クエン酸合成酵素の細胞内局在化シグナルの相違点を明らかにするため、高分子型と低分子型の酵素の機能を明らかにした。翻訳後修飾の可能性も考えられるので、クエン酸合成酵素分子のリン酸化、糖鎖付加、部分切断の有無などを詳細に検討した。さらに、酵素の活性中心の欠失した分子を作成し、ミトコンドリア外でのクエン酸合成酵素の機能に酵素活性が必要か、あるいは他の分子との相互作用が必要性について検討していたが、やや進行が遅れて次年度に引き続きおこなう予定である。これらにより細胞質型(高分子型)クエン酸合成酵素の分子構造とその作用機序を明らかにした。 (2)細胞分化におけるクエン酸合成酵素の役割の解明 ミトンドリア外のクエン酸合成酵素は、繊毛虫では中間径繊維を形成することが知られており、細胞骨格分子と相互作用している可能性が高い。そこで、クエン酸合成酵素が細胞分化、とくに細胞骨格が重要な神経系細胞の分化と形態維持に果たす役割について明らかにした。アフリカツメガエル胚での神経形成をモデルとして、クエン酸合成酵素の分布を蛍光抗体法によって調べ、特異的な分子の発現を検索した。さらに、抗クエン酸合成酵素抗体やアンチセンス・モルフォリノオリゴなどを用いた機能阻害により、胚発生における形態形成での役割を追求した。この酵素によって細胞分化における遺伝子発現がどのように調節されているかと、核内にあるクエン酸合成酵素が核内のDNAやヒストンタンパク質とどのように相互作用して機能しているかをおこなってきたが、引き続き研究を続ける必要がある。これらにより、ミトコンドリア外のクエン酸合成酵素の発生過程における普遍的な役割を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ、当初の研究計画どおりに進めることができているので。
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Strategy for Future Research Activity |
ほぼ、当初の研究計画どおりに進めることができているので、さらにデータの充実と他の動物での新規作用についても次年度に検討する。また、学会発表、論文発表をおこなっていく。
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