2011 Fiscal Year Annual Research Report
大脳皮質発生過程におけるソニックヘッジホッグ発現細胞の機能解析
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22570209
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
元山 純 同志社大学, 生命医科学部, 教授 (70321825)
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Keywords | 発生生物学 / 遺伝学 / 神経科学 / 細胞移動 / 細胞系譜 |
Research Abstract |
本研究提案では、大脳皮質発生過程において中胚葉である脊索前板由来細胞が背側の大脳皮質にまで移動しソニックヘッジホッグを分泌して、神経幹細胞の発生に関与し皮質の組織形成を調節する可能性を検討している。昨年度は、以下の点を明確化することを目的として研究を行った。 (3)脊索前板細胞の発現するShhタンパク質は、神経幹細胞の維持・分化制御において、如何なる意義があるのか?(神経幹細胞との相互作用) Shh-CreERT2マウスを用いて、神経幹細胞の分化や増殖が起こる時期の大脳皮質でのShh発現細胞の同定を試みた。Shh-CreERT2マウスとZ/EG double reporterマウスと交配させ、神経幹細胞が分裂・分化する時期(E11-14)にタモキシフェンを投与しEGFPの発現細胞を観察した。その結果、Shhを発現している細胞は未分化な神経幹細胞ではなく、分化決定した神経前駆細胞である事が観察された。現在これらの細胞でのShh発現が、細胞自身の分化過程に関与しているのか、あるいは未分化神経幹細胞に働きかけて、分化を促進しているのかについて解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウス飼育施設が研究室から遠いところにあり、飼育管理に要する時間が充分取れない。そのため実験に用いる組換えマウスの数が充分確保できず、実験回数が予想より減少している。
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Strategy for Future Research Activity |
実験室内にマウスを飼育できるアイソレーターを設置したが、飼育できる匹数が充分でない。今後、アイソレーターを増設する、あるいは飼育できるスペースを研究室周辺に設置する等の策を検討している。
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