2010 Fiscal Year Annual Research Report
ライブイメージングによるニワトリ胚中胚葉細胞の遊走機構の解明
Project/Area Number |
22570210
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
仲矢 由紀子 独立行政法人理化学研究所, 初期発生研究チーム, 基礎科学特別研究員 (70415256)
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Keywords | ニワトリ初期胚 / 中胚葉 / ライブイメージング / 細胞遊走 |
Research Abstract |
ニワトリ原腸陥入胚では、中胚葉細胞が方向性を持って遊走しており、これらは様々な分子シグナリングによって調節されている。本研究は、ニワトリ胚のライブイメージングにより、中胚葉細胞の核とゴルジ器官の動きを画像化、数値化することで細胞の移動様式と方向性を定量的に理解し、中胚葉遊走を制御する分子シグナルの同定を目指す。細胞の核とゴルジ体は、pCAGGS-H2B-mcherry-2A-Golgi-YFP発現ベクターをエレクトロポレーション法により導入しラベルした。今年度は、細胞内器官の動きを定量的に解析するために必須となる、より高性能な3Dイメージングシステムの構築と、その後の画像解析ツール(ソフトウエア)の探索に着手した。まず、高速共焦点スキャナユニットCSUを搭載した共焦点顕微鏡によるライブイメージングを行った。このシステムでは、高速に画像取得が可能であり、かつZ分解能が比較的良い。結果として、細胞の動きを3次元で追跡し、定量的な解析等に汎用できる解像度の画像を得ることができた。30秒間隔で30-60分間のイメージングに際して、これまでに使用していたガルバノミラー式共焦点システムでは、画像取り込みに時間がかかり,Z軸方向の情報取得は不可能であったことから、技術面でかなり改善されたと考えられた。次に、画像解析ソフトVblocityにより得られたZスタック画像を立体に再構築し、核とゴルジ器官の動きの視覚化とそれぞれの重心定量を行い、それぞれの移動速度、距離、角度等々のパラメーターを数値化した。しかしながら、画像解析過程では、さらに改善するべき点が残されている。来年度は、核とゴルジ器官の座標情報を統合し、両者の相対的な位置関係が細胞遊走にどのように関連するかについて調べ、さらに、様々なシグナル分子の影響についての検討を加える。
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Research Products
(4 results)