2012 Fiscal Year Annual Research Report
ライブイメージングによるニワトリ胚中胚葉細胞の遊走機構の解明
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22570210
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
仲矢 由紀子 独立行政法人理化学研究所, 初期発生研究チーム, 研究員 (70415256)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ライブイメージング / ニワトリ胚 / 中胚葉 / 細胞遊走 / 細胞極性 |
Research Abstract |
細胞の遊走は、発生過程や成体における組織修復などにとても重要な現象である。本研究では、ニワトリ原腸陥入胚の中胚葉細胞の遊走をモデルとして、ライブイメージングにより標識された核の重心定量から細胞の移動方向や距離、速度などを数値化し、in vivo での細胞遊走の様式を定量的に理解することを目指す。ニワトリ胚の中胚葉細胞は、原腸陥入の後、からだの前後方向に走る1本の線状の構造(原始線条)のそれぞれの位置から大移動を開始する。本年度は、頭部中胚葉となる原始線条前側の細胞群、ならびに後方から遊走を開始し胚体外の血管組織になる細胞群を対象にして、イメージングを行った。その結果、原始線条先端の細胞群は、からだの前側に向かって直線的な遊走経路をとるのに対し、後方の細胞群では、からだの前側より側方に向かってゆらぎながら移動することがわかった。次に、核と同時にゴルジ体を標識し観察した結果、原始線条のどの位置から遊走を開始する細胞においても、1時間の観察時間内で、ゴルジ体が常に核の後方に位置する前後極性が認められた。一方、核とゴルジ体の位置関係を薬剤処理により崩壊すると、細胞の運動性は保持されるが、移動方向がランダムになり、結果として、細胞の移動距離が短縮した。これらの結果より、核とゴルジ体の位置関係は、細胞移動の方向性や距離に影響することが示唆された。好中球などの一部の細胞を除いて、細胞遊走ではゴルジ体は核の前側に位置することが報告されていることから、ニワトリ胚中胚葉細胞の遊走過程でゴルジ体が核の後方にあることの重要性や生物学的意義は興味深い。今後、核とゴルジ体の相対的な位置関係を数値化し、遊走方向との関わりを詳細に検討する他、ゴルジ体の位置を決定する分子の探索にも着手する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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