2010 Fiscal Year Annual Research Report
脊索動物におけるレチノイン酸依存的発生制御機構の進化
Project/Area Number |
22570214
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
藤原 滋樹 高知大学, 教育研究部・自然科学系, 教授 (40229068)
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Keywords | レチノイン酸 / Hox1 / 進化 / 遺伝子発現調節 / 脊索動物 |
Research Abstract |
(1)カタユウレイボヤのHox1遺伝子が幼生表皮の出水孔原基の形成に関与することを発見した。出水孔原基はレチノイン酸合成酵素やレチノイン酸受容体の機能阻害したときにも同様に欠損した。このことから,レチノイン酸がHox1の機能を介して出水孔原基の形成に寄与することがわかった。出水孔原基は脊椎動物の耳原基に相同であり,脊索動物の進化を考える上で興味深い。現在論文投稿準備中。 (2)カタユウレイボヤHox1遺伝子の中枢神経系における転写活性化を制御するエンハンサーを特定した。このエンハンサーはレチノイン酸に応答するが,レチノイン酸受容体の結合する配列については,現在候補を絞り込んでいるところである。 (3)カタユウレイボヤのレチノイン酸標的遺伝子のうち,機能のわかっていない遺伝子(04977r1と呼んでいる)について,FLAGタグを付けたタンパク質を胚で発現させるためのプラスミドを作製した。これを利用し,細胞内のどこにタンパク質が局在するか突き止めて,機能解析へ進みたい。 (4)オタマボヤは,ホヤと近縁であるがレチノイン酸合成酵素や受容体の遺伝子を持たない。それにもかかわらず,オタマボヤのHox1はホヤのHox1とよく似たパターンで発現する。そこで,オタマボヤのHox1レポーター遺伝子をホヤに導入して発現調節の仕組みを調べた。予備実験で,中枢神経系におけるエンハンサー活性が確認された。
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Research Products
(7 results)