2012 Fiscal Year Annual Research Report
脊索動物におけるレチノイン酸依存的発生制御機構の進化
Project/Area Number |
22570214
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
藤原 滋樹 高知大学, 教育研究部自然科学系, 教授 (40229068)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | レチノイン酸 / Hox1 / 進化 / 遺伝子発現制御 / 脊索動物 |
Research Abstract |
カタユウレイボヤのHox1遺伝子を中枢神経系(神経索)で転写するためのエンハンサー(E1と呼ぶ)が第2イントロンの中央部に存在する。E1エンハンサーにはレチノイン酸受容体の結合配列(RARE)があり,その配列が正常な転写活性化とレチノイン酸への応答に必要である。今年度は,第2イントロンの5' 側に別のエンハンサー領域(E2と呼ぶ)を発見した。イントロン全体からE1を欠失させたりRAREに点突然変異を作ったりすると,エンハンサー活性は大きく損なわれたが,神経索に弱い発現は残った。それらの変異型エンハンサーはレチノイン酸には応答しなかった。E1とE2の両方を欠失させたり,E1を欠失した状態でRAREに点突然変異を作ると,エンハンサー活性は完全に失われた。これらの結果から,E1はレチノイン酸依存的に,E2はレチノイン酸非依存的に,神経索における転写を活性化することがわかった。この研究の成果を論文で公表した。 オタマボヤは,ホヤと近縁であるが,ゲノム中にレチノイン酸の合成酵素や受容体の遺伝子を持たない。しかし,オタマボヤのHox1はカタユウレイボヤのHox1と同じようなパターンで神経索において発現する。オタマボヤとホヤの共通祖先がどのような仕組みでHox1の転写を活性化していたか,またオタマボヤがレチノイン酸関連遺伝子を失ったときにHox1の発現が正常に保たれたのがなぜかを解明するため,オタマボヤHox1の5'上流配列の持つ転写活性を “ホヤ胚を用いて” 調べた。今年度は,詳細な欠失解析によりホヤ胚の神経索において転写を活性化するために必要な配列エレメントを100塩基前後に絞り込んだ。私たちは,その配列が,カタユウレイボヤHox1のE2エンハンサーと同じ仕組みで活性化するのではないかと考えている。この研究については国際学会において発表した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)
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[Presentation] ホヤの発生学2012
Author(s)
藤原滋樹
Organizer
フォーラム2012/衛生薬学・環境トキシコロジー
Place of Presentation
名古屋観光ホテル(名古屋市)
Year and Date
20121026-20121026
Invited
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