2012 Fiscal Year Annual Research Report
系統的慣性と性選択の対立:昆虫における触覚節数の集団内多型の進化維持機構
Project/Area Number |
22570215
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
津田 みどり 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (20294910)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 直隆 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (20304769)
中平 賢吾 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (70596585)
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Project Period (FY) |
2010-10-20 – 2013-03-31
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Keywords | 昆虫 / 多型 / 進化 / 形態 |
Research Abstract |
触角節数の集団内多型の維持機構を、マメゾウムシ集団を用いて、選択実験および得られた選択・対照系統の生活史形質と触角節数の相関関係から解明した。 まず、9世代に渡って、触角節の少ない個体を選択した結果、同じ世代数ランダムに抽出した対照系統より、選択系統は雌雄ともに触角が平均3節ほど減少した。次に、選択・対照系統内および系統間で交配ペアを作り、体サイズ、寿命、産卵数、子の生存率、子成虫個体数などの適応度に関与する生活史形質と触角節数の間の相関を調べた。正常触角節数の雌は触角節の少ない雌より子の数が多く、子の生存率も高いが、正常触角節数の雄では触角節の少ない雄より成虫寿命が短いことが判明した。また、前年度までの実験データの再分析から、両親のどちらかの触角節数が正常の場合、正常節数の娘・息子の占める割合が高くなることが判明した。 これらの結果は、同じ形質において雌雄間で自然選択が反対方向に働く(遺伝子座内)性的対立が起きていることを示し、それが節数多型の維持に寄与していると考えられる。これは、生態形質の多型維持の原因として最近注目され始めた性的対立が、形態形質の多型維持においても重要な役割を果たすことを示す初めての実証例である。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)