2011 Fiscal Year Annual Research Report
脳酸素動態と認知課題成績からみた高次脳機能の修飾刺激応答の個体差とその影響要因
Project/Area Number |
22570225
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
新岡 正 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究院, 准教授 (20123953)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 豪一 札幌医科大学, 医療人育成センター, 准教授 (10167497)
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Keywords | 生理的多型 / 生理人類学 / 高精度計測システム / 高次脳機能影響評価 / 生物・生体工学 / 脳酸素動態 / 心理・性格特性 / 心臓血管系反応 |
Research Abstract |
本研究は、環境中の刺激因子として騒音を取り上げ、騒音が存在する場合の高次脳機能に及ぼす影響を、騒音の強さレベルに依存してどのように変化するのかに注目し、新規に開発した認知課題成績高感度・高精度計測システム(特許第4765059号)と非侵襲・非拘束の近赤外分光法方式脳酸素動態計測システムを用い、特に心理・性格特性の関わりに注目して、個体レベルで明らかにしようとするものであり、認知課題成績、脳酸素動態、および心臓血管系反応を、相互に関連づけることによって個体差の原因解明と、高次脳機能に及ぼす影響の全体像を明らかにすることを目的としている。本年度においては、85dB(A)の騒音が負荷されている条件のもとで、18名の健常若年者を対象として、認知課題2回連続遂行(2回目のみ騒音負荷)において、認知課題成績、脳酸素動態(酸素化ヘモグロビン濃度、脱酸素化ヘモグロビン濃度、総ヘモグロビン濃度)、および心臓血管系反応(血圧および心拍数)の1回目の結果を基準とした2回目の変化量を求め、これを騒音無負荷の変化量と比較することにより増加変化量を得た。また、個体差を生じさせる背景因子としての心理・性格特性を、モーズレイ性格検査(MPI)等の4検査指標を用いて評価した。結果として、騒音による反応時間の有意な延長、解答数および正答率等の有意な低下など、課題成績の悪化が認められた。また、検査値相互の関係性を重回帰分析により分析した結果、反応時間の増加変化量は性格特性(MPI-Nなど)によって約37%説明できることが明らかになった。一方で、脳酸素動態と心臓血管系反応からの課題成績への関与は少ないことがわかった。以上、本年度の当初計画等に沿った成果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
特段、研究計画を妨げる事態が生じなかった。これにより、昨年度と同様に本年度もほほ研究計画に沿って順調に成果が得られたため。
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Strategy for Future Research Activity |
過年度の経過から、特段、研究計画を妨げる要因は生じないと考えられる。従って、研究計画に沿って研究を進めることにより所定の成果が得られると期待できる。
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Research Products
(6 results)