Research Abstract |
介護老人保健施設等を利用する要支援および要介護高齢者に対するリハビリテーション介入と介護サービス内容が,対象者の心身機能や生体リズムに与える影響を明らかにするための,心身機能評価および生体リズム評価と生活時間構造評価を,協力施設および関連職員,対象者へのインフォームドコンセントの手続きを経て実施した. 連続的携行型行動量計による生体リズム測定が可能だった対象者は12名(男性6名,女性6名),平均年齢84.25±8.79歳,要介護度は要支援2が3名,要介護1が2名,要介護2が3名,要介護3が3名,要介護4が1名であった.対象者の診断名は呼吸器疾患6名,循環器疾患2名,消化器疾患1名.その他3名,FIMの平均は92.92±24.57点,HDS-Rの平均は20.58±6.01点,1日あたりのリハビリテーション介入時間の平均は30.83±12.4分であり,1週間あたりの介入頻度は対象者の状態に応じて1回から6回と幅があった.介入内容は筋力増強,基本動作訓練,ADL訓練,耐久性向上訓練,趣味活動の提供等であった.介護スタッフによる生活への介入はADL介助に限られていた.連続的携行型行動量計による1日平均行動量は20925.37±19195.75カウントであり,研究代表者らによる在宅高齢者の1日平均行動量の調査結果に比較して著しい低活動状態を示していた.また,要介護度と1日平均行動量との関連は認められなかった.生活時間構造評価の結果からもADLとリハビリテーション以外の時間は臥床,テレビ,ラジオの視聴などで占められており,何らかの役割活動を持っている人はほとんどいなかった.以上の結果より,低活動状態という生体リズム異常を予防するためには,対象者本人や介護スタッフに低活動状態であることを伝え,リハビリテーションスタッフが直接介入する時間以外の生活場面への介入を行うこと,特に対象者のニーズを踏まえた生活構造の再構築,役割再獲得のための支援を介護スタッフと連携して行っていく必要性が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
対象者数は多くないが,心身機能と生体リズムに関する量的,質的データが得られており,データ数を増やすことにより当初の目的が達成できる見込みである.
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