2010 Fiscal Year Annual Research Report
チガヤ法を用いた半数体育種における染色体消失誘発のゲノム同定と遺伝的機構の解明
Project/Area Number |
22580004
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Research Institution | Osaka Kyoiku University |
Principal Investigator |
向井 康比己 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (30110795)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 剛 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (10314444)
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Keywords | 半数体 / チガヤ / ムギ類 / 染色体消失 / ゲノム / 遠縁交雑 / タルホコムギ / セントロメア |
Research Abstract |
チガヤの花粉によるムギ類の半数体出現機構を制御するゲノムを探索した。2倍コムギ3種(ゲノム構成=AA : Triticum boeoticum、T.urartu、T.monococcum)、4倍性コムギ2種(AABB : T.dicoccoides、T.durum)、タルホコムギ(DD : Aegilops tauschii)、Ae.speltoides (SS)、ライムギ(RR)、オオムギ(HH)、カラスムギ、イネに対してチガヤの花粉をかけ、受粉後の半数性胚形成過程を観察すると共に、約2週間後の半数性胚の形成率を調べたところ、タルホコムギでは半数性胚が成長しており、胚救助により半数体植物が得られた。T.durumでは胚が形成されていたが、途中で成長が止まうていた。一方、T.dicoccoldesでは胚は全く見られなかった。それ以外の種では全く胚は形成されなかったことから、ムギ類ではチガヤとの交雑において、Dゲノム染色体が半数桂胚形成およびその胚の成長に深く関与しているごとが明らかになった。タルホコムギの半数体植物は世界で初めての報告である。半数体であることがはセントロメアプローブ等を用いたFISH法でした。染色体の消失は、受精後の第1分裂降で起こっており、染色体消失とセントロメア不活性化との関連を調べたが、チガヤCENH3の十分な抗体を作製するこどができなかったので、明瞭な結果を得るととができなかった。半数性胚に対してゴルヒチン直接処理による染色体倍加の実験では、交雑後4日目の穂に500ppmのゴルヒチンを処理することにより染色体の倍加が一例だけ見られたが、再現性を確認する必要がある。
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Research Products
(1 results)