2011 Fiscal Year Annual Research Report
薬用ウコン属植物におけるクルクミン成分の生成過程とその遺伝的変異の解明
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22580014
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
吉田 徹志 愛媛大学, 連合農学研究科, 教授 (10145112)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 由徳 高知大学, 教育研究部・自然科学系, 教授 (00093956)
宮崎 彰 高知大学, 教育研究部・自然科学系, 准教授 (00304668)
福田 達哉 高知大学, 教育研究部・総合科学系, 准教授 (00432815)
島村 智子 高知大学, 教育研究部・総合科学系, 准教授 (50350179)
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Keywords | 薬用植物 / ウコン / クルクミン / 遺伝的変異 / 食品 |
Research Abstract |
1.ウコン属植物の根茎収量および精油含有率に関する研究 ウコン属植物に含まれる精油の含有量および成分率の生育に伴う変化,器官別差異および種・系統間差異を調査した,その結果,ウコン属植物の根茎から抽出された精油の量および質には種・系統間差があり,精油成分の検出パターンはクルクミン含有率や生育・収量の種・系統間差と一致した.精油の量と質はウコンおよびハルウコンにおいて集積部位による違いがあった.また,葉身に比べ根茎に集積される精油は分子量が大きいことが示された. 2.ウコンの高クルクミン含有系統と近縁種の系統的背景 ウコンの種内においてクルクミン含量が異なる原因を探るために,ウコンとその他のウコン属植物の間の雑種または浸透交雑の可能性を調査した.その結果,ETSにおける雑種性およびmatKとETSの系統樹の間に食い違いが見出された.ウコンのクルクミン含量は,純系において非常に高く,他のウコン属植物との雑種または浸透交雑であった系統は,中程度または低濃度のクルクミン含有量であった.これらはいずれも同じウコンの葉緑体DNAを持っていたため,ウコンのクルクミン量の異なる系統は他のウコン属植物との雑種または浸透交雑種であることが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
新たに評価項目に加えた精油の分析方法を確立し成果が得られたこと,インド,バングラディシュにおけるウコンの栽培についてとりまとめ学会で報告したこと,種・系統間の遺伝的背景を解明し学会誌に2論文が受理されたことから,当初の計画以上に進展していると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
収量と薬用成分含有率の関係を明らかにし,遺伝的背景との関係を検討し,学術誌へ投稿する.精油の抽出に時間がかかり効率が低いことも考えられるため,抽出法の改善に取り組む.
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