2013 Fiscal Year Annual Research Report
地理的DNA変異に基づく稲作随伴雑草タイヌビエの日本への侵入・拡散ルートの解明
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22580017
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
保田 謙太郎 秋田県立大学, 生物資源科学部, 准教授 (00549032)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | タイヌビエ / 小穂F-C型 / 地理的変異 / 水田雑草 / 葉緑体DNA |
Research Abstract |
稲作とともに日本国内に拡がったとされる稲作随伴雑草タイヌビエを研究対象として、その地理的変異を分析し、タイヌビエが本当に稲作の伝播とともに日本に侵入し、拡散したのかという雑草学における根本的問題の解明を目指した。研究内容は、(1)タイヌビエの収集、(2)小穂2型の地理的分布調査、(3)葉緑体DNA変異による地理的分布調査である (1)ではタイヌビエを日本全国で収集し、平成25年末時点で692系統を保存した。(2)ではF型とC型といわれる小穂形状の変異の地理的傾向を調査した。F型は東北日本に多く、C型は西南日本に多い。さらに、C型の頻度は近畿地方や福岡県において極めて高いことを明らかにした。(3)では葉緑体ゲノムの複数の非コード領域を対象にシークエンス分析(約7000bp)を行い、日本国内および近隣諸国におけるタイヌビエ(29系統)の遺伝的類縁性を明らかにした。さらに、得られた変異をSNPS 法で検出する方法を開発し、日本国内でのタイヌビエの地理的遺伝変異を分析した。東北北部地域には3型が多く、日本海地域には2型が多く、近畿や九州地方では1型が多いように、葉緑体DNA変異に地理的傾向があることが明らかにした。 近畿地方や福岡県は日本において最初に水田稲作が拡がった中心的な地域であるが、それらの地域では小穂C型や葉緑体1型の出現頻度が極めて高かった。この小穂形状や葉緑体DNA変異は、タイヌビエの日本への侵入拡散と水田稲作の伝播との関連性を推定していく上で注目されることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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