2010 Fiscal Year Annual Research Report
国内外から収集した在来稲遺伝資源の多面的評価と特性表の公刊
Project/Area Number |
22580018
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Research Institution | Prefectural University of Hiroshima |
Principal Investigator |
猪谷 富雄 県立広島大学, 生命環境学部, 教授 (60087898)
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Keywords | イネ遺伝資源 / 赤米 / 紫黒米 / 抗酸化活性 / 品質 |
Research Abstract |
平成22年度は、大学研究水田において、在来種を中心としたイネ200余の品種・系統を均一条件下で栽培し、また飼料イネを異なるNレベルで栽培し、出穂期・生育・収量・倒伏性などの諸特性を調査した。さらに、収穫・調製した玄米を対象に、外観品質(サタケ穀粒判別器)、アミロース含量(ヨード・ヨードカリ法)、タンパク質含量(CNコーダー)などを分析し、また、有色米(赤米・紫黒米)の一部品種・系統についてはORAC法による抗酸化活性とアントシアニン含量の定量を行った。その結果、抗酸化活性は、品種間差異があるものの、赤米〉紫黒米〉白米の順に高いことが明らかになった。飼料イネとして、籾(米)の収量は低いが、ワラ収量の高い有望な品種が選抜された。 水田で調査する諸特性には気象条件の影響が大きいことが知られており、23年度も継続して実験を行うが、中間報告として、以下の研究成果を日本作物学会全国大会の講演会において発表した。「県立広島大学で保存する在来種を中心としたイネ品種群の分類と利用例」ならびに「登熟期間中の温度条件が紫黒米の着色及びアントシアニン含量に与える影響」の2課題である。前者の課題では、本学が収集してきた500の品種・系統を、主として利用面の観点から分類整理し、とくに有色米の利用例を整理・紹介した。また、品種選択の指針と栽培上の注意点を説明した。後者の課題では、紫黒米の11品種・系統を水田およびポットで、ビニール屋根下・人工気象室(低温20/20℃、高温35/30℃)の4条件下で栽培し、高温条件下では玄米の着色が不良でアントシアニン含量も低いこと、また高温耐性に品種間差異があることなどを示した。
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