2010 Fiscal Year Annual Research Report
古代植物由来の植物性ミネラルを用いた野菜栽培に関する研究
Project/Area Number |
22580027
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
西澤 隆 山形大学, 農学部, 教授 (10208176)
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Keywords | レタス / 抗酸化 / ポリフェノール / アントシアニン / 糖 / ミネラル / 海洋深層水 / 養液栽培 |
Research Abstract |
わが国の畑地土壌の多くはミネラル含量が少ないことから,植物性ミネラルを用いて野菜中の含有ミネラル成分を増やせば,高付加価値の野菜として市場に提供できる.植物性ミネラルは,ミネラルの他,フミン酸やフルポ酸を含み酸性を示すため,褐変防止効果や抗菌性もある.また,高濃度のミネラル添加が浸透ストレスとして働き,糖度,GABA,抗酸化活性などが増加するなど,高機能性野菜として付加価値を付与できる可能性がある.こうしたことから,植物性ミネラルを用いた実用的な野菜栽培法を確立することを目的として,本研究を実施した.特に,ミネラル処理については,海洋深層水を用いた野菜類の栽培に関する研究が先行しているが,海洋深層水は大量に含まれるNaやClイオンを除去する必要があるため,技術的に解決すべき問題が多い。その点植物由来のミネラルは,これらのイオン含量が海洋深層水に比べかなり低く,そのまま利用できる可能性がある.平成22年度の研究では,レタスを材料としてミネラルを加えた養液栽培を行い,その効果を検証した.その結果,フルポ酸を含む1%ミネラル溶液でレタスを栽培した場合,ポリフェノール,アントシアニン,抗酸化活性,糖含量を増加させる効果があることが確認された.従って,平成23年度以降の実験に於いては,主にレタスを用いて,これらの成分とミネラル付与との関連を明らかにすると共に,植物のミネラル吸収特性を明らかにし,体内成分としてどの程度ミネラルを蓄積する能力があるかを検証する予定である.
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