2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22580043
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
神崎 真哉 近畿大学, 農学部, 講師 (20330243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本勝 千歳 宮崎大学, 農学部, 助教 (30381057)
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Keywords | 自家不結実性 / 果皮色 / 多胚性 / 分子マーカー |
Research Abstract |
(1)マンゴー交雑特性の解析 '愛紅'の自然交雑実生93個体について、9種類のSSRマーカー(MIAC-2,MIAC-5,MIAC-6,MIAC-11,MIAC-44,LMMA-1,LMMA-10,MiSHRS-1,MiSHRS48)を用いて花粉親の特定を試みた。その結果、'愛紅'の自家受粉によって生じた実生は33個体(約35%)となり、自家結実性が比較的強いと考えられていた'愛紅'においても他家受粉による結実が優位であることが示された。 (2)マンゴー果皮色連鎖マーカーの探索 オーストラリア・クイーンズランド州熱帯農業センターにて育成されている交雑集団(Irwin×Kensington Pride)を利用し、マンゴーの果皮色(赤色果皮)に連鎖するAFLPマーカーの探索を進めた。Bulk法を利用して約200種のプライマーセットを用いてマーカーの単離を試みているが、これまでに果皮色に連鎖したマーカーは得られていない。果皮色マーカーと平行して、多胚性に連鎖するAFLPマーカーの探索も進めているが、こちらも連鎖マーカーの単離にはまだ至っていない。一方、マンゴー果皮で発現しているMYB遺伝子を単離し、その周辺領域の解析を進めると共に果皮色との関連を調査している。 (3)DNAマーカーによる交雑親識別技術の開発 (1)で挙げた9種類のSSRマーカーを用いることで自家・他家受粉による実生を区別することが可能となった。近畿大学附属農場で栽培されている品種について、各品種の持つSSR遺伝子座のallele情報を整理することが出来たが、交雑個体の遺伝子型から確実に花粉親を特定するためにはまだ十分なデータが揃っておらず、引き続きマーカー数を増やして解析を進める予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マンゴーの交雑特性を解析から、'Irwin'と'愛紅'において自家不結実性が強いことが改めて確認しており、同時にSSRマーカーを用いて交雑親を特定する手法もほぼ確立している。一方、有用形質に連鎖したマーカーの単離はまだ達成出来ていないが、今年度も引き続き研究を進めることにより到達できるものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
交雑特性については、研究に用いる品種数を増やして他品種間における交雑特性の解明を試みる。また、オーストラリア・クイーンズランド州熱帯農業センターにおいて栽培されている品種についても調査する予定である。果皮色連鎖マーカーについては、研究対象をMYB遺伝子に絞り込み交雑集団および品種におけるMYB周辺領域の差異と果皮色との関連を調査する。一方、AFLPマーカーを用いた連鎖解析は多胚性連鎖マーカーの探索に変更する予定である。交雑親識別技術についても、引き続きSSRマーカーの探索を進め各品種の遺伝子型データベース作成を進めていく。
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[Journal Article]2012
Author(s)
Honsho, et al
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Journal Title
J.of Japan。Soc.for Hort.Sci.
Volume: 81
Pages: 27-34
Peer Reviewed