2011 Fiscal Year Annual Research Report
宿主特異的毒素生成病原菌に対するキュウリの光誘導抵抗性の発現機構に関する研究
Project/Area Number |
22580049
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
荒瀬 榮 島根大学, 生物資源科学部, 教授 (40127478)
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Keywords | 光 / 抵抗性 / 宿主特異的毒素 / キュウリ / 褐斑病 / 防除 |
Research Abstract |
キュウリの褐斑病菌に対する赤色光誘導抵抗性を蛍光灯からLEDに変えて調査した。その結果、LED赤色光下でも褐斑病菌に対する抵抗性が誘導された。このような抵抗性の発現経路を明らかにする目的でサリチル酸およびアシベンゾラル-S-メチルの影響を調査した。サリチル酸およびアシベンゾラル-S-メチルの溶液にキュウリの第1本葉を浸漬した後、褐斑病菌胞子を滴下接種し、赤色光区と自然光区に保ち、病斑形成を比較した。その結果、蒸留水を前処理したキュウリ葉に褐斑病菌胞子を接種した時、自然光区では大型病斑が形成されたが、赤色光区では病斑形成は著しく抑制され、赤色光誘導抵抗性が確認された。また、サリチル酸を前処理したキュウリ葉でも蒸留水処理葉と同様の現象が確認された。しかし、アシベンゾラル-S-メチルを前処理したキュウリ葉では大きな違いが見られた。即ち、自然光区に保ったキュウリ葉では大型の病斑が形成されたのみならず、赤色光区においても大型の病斑が形成され、蒸留水あるいはサリチル酸前処理葉で見られた赤色光誘導抵抗性は見られなくなった。また、殺生性病原菌に対する抵抗性を誘導することが多くの植物で報告されているジャスモン酸のキュウリへの前処理は、褐斑病菌に対する抵抗性を誘導しなかった。以上のことは、赤色光誘導抵抗性の発現に関与する経路は全身獲得抵抗性の発現に関与する経路と拮抗関係にあるが、従来から言われてきたジャスモン酸経路ではないことが示唆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
23年度中に確認すべき事項である「褐斑病菌の生産する宿主特異的毒の赤色光下での抵抗性誘導」が年末の積雪によるハウスの損壊で出来ていない。
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Strategy for Future Research Activity |
若干計画が遅れ気味であるので、この課題に費やす時間を増やす予定である。また、これに取り組むための共同研究を学内で進める予定である。
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Research Products
(9 results)
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[Presentation] 光と植物病害2011
Author(s)
荒瀬栄
Organizer
日本植物病理学会関西部会
Place of Presentation
高松市(サンポートホール高松)(招待講演)
Year and Date
2011-10-01
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