2012 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22580050
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
多賀 正節 岡山大学, 自然科学研究科, 教授 (80236372)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | Phytophthora / 疫病菌 / 染色体 / ゲノム / 形質転換 / nit変異 / 半数体 |
Research Abstract |
平成24年度は栄養要求性突然変異体の作出,形質転換体の作出,体細胞染色体の観察法の改良について研究し,下記の成果を得た。 1.栄養要求性突然変異株として半数体菌株と二倍体標準菌株から硝酸塩利用能欠損変異(nit変異)株を塩素酸塩抵抗性を利用して多数作出し,遺伝的安定性を確認した後,塩素酸塩に対する抵抗性の程度を評価した。次いで,変異の原因遺伝子候補であるNiaA遺伝子の塩基配列解析を二倍体nit株を用いて行い,変異体のNiaAは変異遺伝子と野生型遺伝子がヘテロ接合しており,変異遺伝子は塩基配列中にアミノ酸置換をもたらすトランジションタイプの置換を有することを見いだした。このようなnit変異の作出と解析は本菌では初めてある。また,nit以外の栄養要求性変異体を選抜するために既報の4種の合成培地にアミノ酸等を添加した最少培地の作成を試み,本菌の栄養特性に関する知見を得た。 2.プロトプラストを用いたPEG-リポフェクチン処理法による形質転換系を確立した。まず,再生能の高いプロトプラストを作出する条件を確立し,最高で36%の再生率を得ることができた。次に,選抜マーカーのgeneticin抵抗性遺伝子に卵菌類で働くプロモーターを融合させた形質転換ベクターを使い,形質転換体を作出することに成功した。卵菌類の形質転換系の確立は日本では初めてである。 3.体細胞染色体の観察法として,発芽管破裂法の改良と,培養菌糸体を用いる方法を試みた。前者では,培地を新鮮な自家製potato brothに変更することにより,発芽管伸長と核分裂が向上し,より効率的な染色体観察が可能となった。後者では,液体培養した菌糸体をコルヒチン・コルセミド併用処理をすることにより,凝縮した染色体像を得ることに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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