2012 Fiscal Year Annual Research Report
植物・細菌両細胞で機能する白葉枯病菌タンパク質LrpXによる植物抵抗性の抑制機構
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22580053
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
津下 誠治 京都府立大学, 生命環境科学研究科(系), 准教授 (10254319)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | イネ白葉枯病菌 / 植物-細菌相互作用 / hrp / エフェクター |
Research Abstract |
イネ白葉枯病菌は30数個のエフェクターのうち、LrpX (XopL)を中心に、XopY、XopAAの機能について調べた。LrpXはイネ細胞内に分泌されるエフェクターある一方、LrpX欠損株では、type III分泌装置の構築に関わるhrp遺伝子群の発現制御にも関わることが示唆されていた。しかし、LrpX変異株のイネ感染時におけるtype IIIエフェクターの分泌は、野生株と顕著な差は見られなかった。したがって、LrpX欠損における病原力の低下は、hrp遺伝子の発現とそれに伴うtype IIIエフェクターの分泌低下ではなく、LrpXによるイネ防御応答阻害の低下によるものであることが示唆された。また、LrpXとイネリポキシゲナーゼとの相互作用が見られるとともに、LrpX発現植物におけるジャスモン酸を介した防御応答経路の阻害が見られたことから、LrpXの機能として、本経路の阻害を介したイネ防御応答の抑制が考えられた。 XopYはイネのレセプター様細胞質キナーゼOsRLCK185と相互作用すること、また、OsRLCK185はイネのキチンレセプターであるOsCERK1の下流に位置し、防御応答に関わるMAPキナーゼの活性化に関わる信号伝達の機能をもつことが明らかとなった。XopAAがイネの自然免疫の活性化に重要な役割を果たすOsBAK1と相互作用することを見出した。 一方、LrpXの発現およびイネ細胞内への分泌に対して、白葉枯病菌のもつLon proteaseが負の制御因子として機能することを明らかにした。本タンパク質は、hrp遺伝子およびエフェクター遺伝子の発現を正に制御するタンパク質HrpXを分解することにより、type III分泌装置の構築やエフェクター遺伝子の発現を負に制御することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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