2012 Fiscal Year Annual Research Report
水生昆虫バイオシルクの特性解明、高機能化、医工学分野への応用
Project/Area Number |
22580060
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
塚田 益裕 信州大学, 繊維学部, 教授 (20414922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 康次 信州大学, 繊維学部, 教授 (00126658)
新井 亮一 信州大学, 繊維学部, 助教 (50344023)
野村 隆臣 信州大学, 繊維学部, 助教 (90362110)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 水生昆虫 / 細胞培養床 / タンパク質工学 / 材料工学 / 幼虫 / 金属吸着 |
Research Abstract |
ヒゲナガカワトビケラ幼虫の絹糸腺を摘出し細胞抽出液からシルクタンパク質をシルク溶液 (液状バイオシルク) として調製する方法を確立した。絹糸腺シルクタンパク質の効率的な抽出には、高濃度の尿素と還元剤であるDTT、およびEDTAの存在が重要であり、シルク溶液中に検出されたトリプシン様プロテアーゼ活性抑制のため、プロテアーゼ阻害剤であるロイペプチンが有効であった。 シルクタンパク質の主成分は約350 kDaの高分子量タンパク質であるとともに、3種の低分子量タンパク質の存在が認められ、それぞれsilk protein (Smsp)-1, 2, 3, 4と命名した。シルクタンパク質の遺伝子クローニングを行ったところ、絹糸腺cDNAライブラリーからSmsp-2, 3, 4の全長をコードするcDNAの取得に成功した。BLAST検索の結果、有意な相同性を持つ既知タンパク質は無く、Smsp-2とSmsp-4は新規なタンパク質であることが判明した。Smsp-2アミノ酸配列 (167 aa) の大部分はG、Y、Dからなる特徴的な反復配列から構成されており、2箇所の–(SX)4E–配列を有していた。Smsp-4 (132 aa) では、–GGW–を含む反復配列が特徴的であり、また2箇所の– (SX)4E–も有していた。また、Smsp-3 (248 aa)は、他種トビケラのL-fibroinと高い相同性を有していた。さらに、Smsp-1のC末端断片配列 (479 aa) をコードするcDNAクローンも獲得し、アミノ酸シーケンス解析結果と併せて、リン酸化セリンクラスターをはじめ、特徴的なセグメント配列パターンを見出した。 EDTA2塩基酸無水物で化学修飾した繊維状の水生シルクタンパク質にはPb, Cd, Znが多量に吸着した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(5 results)