2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22580067
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
東江 美加 香川大学, 農学部, 准教授 (50294749)
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Keywords | ミヤコグサ / 窒素固定 / 根粒菌 / 根粒 / SNARE |
Research Abstract |
本研究では根粒菌がマメ科植物細胞内に侵入する時や、共生における小胞を介した物質輸送に着目している。申請者は既に輸送小胞あるいは、標的オルガネラに結合している数十種類のSNAREと呼ばれるタンパク質群の中で根粒菌を取り込むのに重要なSNAREを3種見いだしている。このSNAREについて突然変異体を用いた詳細な解析を行い、最終的にはSNARE遺伝子を高発現させ、共生微生物を利用した高機能窒素固定付与作物の作出を目的とした。 平成23年度は根粒菌と植物細胞の共生に必要なSNAREGen61,Syn1,Syn37遺伝子の発現解析を行った。その結果、Gen61遺伝子が根毛、根粒で発現しており根粒形成、特に感染後の共生時に重要であると推測した。一方、オルガネラ膜上のSNAREは数多く存在するが、これまでにシンビオゾーム膜で発現しているSyn1,共生窒素固定が活発な感染細胞、或いは非感染細胞で発現しているSyn37を確認した。Syn1遺伝子発現を抑制させたSyn1-RNAiの結果、根粒原基は形成されるものの根粒菌の侵入が確認できなかった。また、プロモーター解析、GFP融合タンパク質の解析結果から、Syn1はシンビオゾーム膜に局在するSNAREと推測した。一方、Syn37は、根粒細胞内で強い発現を示した。RNAiによる発現抑制変異体では根粒数は変わらず、根粒菌の感染も確認でき左が、Fix-表現型を示した。以上の結果いくつかのSNAREが根粒形成の小胞輸送に関わることが明らかになってきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、マメ科植物と根粒菌の共生成立に必要なSNAREを見いだす事ができた。この遺伝子群について根粒菌感染、RNAi形質転換植物の作成を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
SNAREはQa-SNARE,Qb-SNARE,Qc-SNAREが複合体を形成し小胞上のR-SNAREを認識することで物質輸送が行われる。根粒で機能しているQa-SNARE,Syn1とQc-SNARE,SYn37,とR-SNARE,Gen061が複合体を形成するのかどうか酵母two-hybrid法で調べていく。
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