2012 Fiscal Year Annual Research Report
植物生育に影響する要因を考慮した土壌中の重金属吸収性評価法の確立とその利用
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22580071
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
野口 章 日本大学, 生物資源科学部, 准教授 (20222193)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 土壌 / 重金属 / 可給性 / 導管液 / ヘチマ / ケミズキンバイ / 玄米 / カドミウム |
Research Abstract |
土壌中重金属の可給性評価法である溶媒抽出法は物理化学的な手法であり、土壌条件に起因する植物生育・活性の違いによって生ずる重金属吸収性の差異を表現することは困難である。本研究では、「導管液法(植物根を養分抽出の道具として用い、被検定土壌で生育させた標準植物の木部導管液中の養分濃度を可給性の指標とする)」が植物活性の差異を包含した土壌中重金属の吸収性評価法として利用可能で、複数成分の吸収性を同時に評価できることを前年度までに見出したため、当該年度は以下の試験を行った。 重金属汚染土壌と修復土壌の双方の土壌中の重金属可給性を導管液法で評価可能か否かを検討するための基礎的知見を得ることを目的として、10-5M から10-8Mまでの広い濃度範囲でカドミウム、銅、亜鉛を含む水耕液(根圏の土壌溶液を想定)で当法の標準植物であるヘチマを生育させ導管液を得たところ、これらの濃度範囲では、上記3元素の地上部含有率と導管液中濃度とは正比例したことから、比較的広い根圏重金属濃度において重金属法を適応し得ることが示唆された。 さらに、植物生育や根の吸収活性に影響を及ぼす要因の存在による重金属吸収性の変化の評価が導管液法により可能か否かを検討したところ、土壌種の差異による重金属可給性の変化はヘチマを利用した当法で評価可能であるが、湿潤土壌では困難であることが見出された。なお、標準植物を水生のケミズキンバイに変えたところ根圏カドミウム濃度の評価に利用可能であることが認められた。また、ケミズキンバイ導管液を用いると、水田土壌において、カドミウム汚染米産出リスクを予測可能であることも示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(1 results)