2011 Fiscal Year Annual Research Report
分子量分布からみた家畜ふん堆肥中の有機態窒素の実体解明
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22580073
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Research Institution | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
Principal Investigator |
森泉 美穂子 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業総合研究センター土壌肥料研究領域, 主任研究員 (10220039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松永 俊朗 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 中央農業総合研究センター土壌肥料研究領域, 上席研究員 (20355647)
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Keywords | サイズ排除高速液体クロマトグラフィー / 化学発光窒素検出 / 堆肥 / 土壌有機物 / 有機態窒素 / アミノ酸 |
Research Abstract |
1.サイズ排除高速液体クロマトグラフィー/化学発光窒素検出法(HPSEC/CLND)による堆肥および堆肥連用土壌からの抽出物の分子量分布測定 堆肥および堆肥連用土壌の熱水抽出物の特徴を分子量別に明らかにするために、サイズ排除カラムを用いてHPLC分離し、紫外可視吸収、示差屈折率、蛍光強度、窒素量を検出した。その結果、抽出有機物は、(1)分子量の大きな生体物質(分子量>100kDa)、(2)腐植酸様物質(分子量100-20kDa)、(3)フルボ酸様物質(分子量20kDa以下)から成ることが分かった。現在、畑土壌における堆肥埋設試験を行い、土壌中でこれらの画分がどのように変化するかを追跡中である。この試験の結果から、堆肥中の易分解性窒素と難分解性窒素の分子化学的特徴を明らかにする。 2.高速液体クロマトグラフィーによる堆肥および土壌有機物のアミノ糖組成測定法の確立 熱水抽出された含窒素土壌有機物を短時間(3時間)加水分解し、そのアミノ糖組成(グルコサミン、ガラクトサミン、ムラミン酸)を測定した。その結果、アミノ糖が土壌熱水抽出物に占める割合は10%以下であり、アミノ糖の中ではグルコサミン、ガラクトサミンが主成分であり、ムラミン酸はそれらの10%以下しか存在していないことが分かった。分子量分画後の試料では、アミノ糖は分子量の大きな生体物質(分子量>100kDa)に多く含まれており、この画分は新鮮有機物に富むと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年までに行う予定の堆肥・土壌水抽出物のHPSEC-CLND、アミノ酸・アミノ糖組成分析は順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
当初から予定していた堆肥および堆肥連用土壌の分析に加え、土壌中での堆肥の分解挙動を明らかにするために、堆肥の埋設試験を追加した。この試料を埋設期間ごとに分析することによって、短期間(数ヶ月~1年程度)の堆肥分解過程の分子化学的変化が明らかとなり、可給態窒素の実態を知ることができる。
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Research Products
(3 results)