2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22580076
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
舘川 宏之 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (60251576)
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Keywords | 出芽酵母 / 胞子形成 / 生体膜 / Dysferlin |
Research Abstract |
出芽酵母前胞子膜前胞子膜伸長の分子機構の解明を目指し、以下の研究を行った。 1 Protein Phosphatase 1(PP1)ターゲティングサブユニットコードするGIP1遺伝子の温度感受性胞子形成変異株のマルチコピーサプレッサーの更なる取得を行ったが、あらたな遺伝子を得ることができなかった。そこで、以前取得して未解析だったYak1とAv19について破壊株の表現型および胞子形成時の細胞内局在解析を行った。明らかな表現型や特異的な細胞内局在は観察されず、PP1との機能的関係の解明は今後の課題である。 2 われわれが前胞子膜の伸長に必要な因子として見出した、Spo71とSpo73の関係を中心に解析を行った。GFPタグを用いた細胞内局在の観察の結果、Spo71とSpo73はお互い独立に前胞子膜に局在化することが示された。Spo73については、モデリングによる構造予測をもとにプラスチャージが表面に集まった領域を見出し、その領域への変異の導入により前胞子膜への局在化が失われて細胞質に局在するようになることを示した。さらに、この変異型Spo73は、Spo71を過剰発現することにより、前胞子膜への局在を回復するという現象を見出し、Spo71とSpo73の間に物理的相互作用がある可能性を示した。そこで、Two-hybrid法によりSpo71とSpo73の相互作用を検討し、これらが直接結合することを明らかにした。これらの結果は、peripheralな膜タンパク質であるSpo71とSpo73が相互作用しながら、膜の伸長において働く可能性を示しており、いまだ不明な点の多い前胞子膜の伸長の分子機構の解明の足がかりが得られた。
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