2011 Fiscal Year Annual Research Report
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22580076
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
舘川 宏之 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (60251576)
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Keywords | 出芽酵母 / 胞子形成 / 生体膜 / PP1 |
Research Abstract |
出芽酵母前胞子膜前胞子膜伸長の分子機構の解明を目指し、以下の研究を行った。 1Protein Phosphatse 1(PP1)ターゲティングサブユニットであるGip1の解析を行った。Gip1はカタリティックサブユニットであるGlc7と複合体を形成して前胞子膜に沿ったバー状のセプチン細胞骨格に局在し、前胞子膜の伸長に必須であることをわれわれは示してきている。本研究では、Gip1の欠失変異体のシリーズを作成し、その機能および局在に必要な領域を決定した。その結果、前胞子膜への局在化に必要な領域とさらにその膜上でセプチン構造への局在化するのに必要な領域が、そしてGip1の胞子形成における機能に必要な領域が別々に存在することが明らかになった。また、変異の導入やTwo-hybrid解析により、機能に必要な領域はPP1のカタリティックサブユニットとの結合領域を含み、PP1結合タンパク質であるYsw1との結合に必要な領域とも重なることが明らかになった。これらの結果は、リン酸化・脱リン酸化による前胞子膜伸長制御の分子機構の一端を明らかにするものであり、PP1のターゲット探索の足場を築くことができたと考える。 2Spo71の温度感受性胞子形成変異株を作成し、変異の位置を決定し、Spo71にある保存領域の重要性を示した。マルチコピーサプレッサーのスクリーニングを行ったが、現在までに候補の取得に至らず、系の改良による再スクリーニングの途中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
遺伝子のスクリーニングで、うまく行っていないところがあり、系を改善してスクリーニングをもう一度する必要がある。しかし、既に取得していた遺伝子の解析については、新たな発見を含め予定以上に進んでおり、全体としてはおおむね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
以前の研究で取得した前胞子膜形成に必須なタンパク質の機能や相互作用を詳細に検討するとともに、あらたな関連因子のスクリーニングと解析を行うことによって、出芽酵母の前胞子膜伸長の分子機構のモデルの構築を目指す。スクリーニングで現在のところ新しい因子は得られていないが、系の改善を行ったので、新たなスクリーニングを行う予定である。また、解析対象に挙げたVps13については他のグループから論文がでたため解析対象から除外する予定である。
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Research Products
(1 results)