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2011 Fiscal Year Annual Research Report

新規芳香族酸トランスポーターの解明と次世代有用ポリマー原料生産への応用

Research Project

Project/Area Number 22580077
Research InstitutionNagaoka University of Technology

Principal Investigator

政井 英司  長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (20272867)

Keywordsフタル酸類 / テレフタル酸 / Comamonas属細菌 / 基質取り込み / 有用物質生産 / 生分解性ポリマー
Research Abstract

Comamonas sp.E6株のテレフタル酸(TPA)取り込みシステムは、TPA結合タンパク質(TphC)と膜タンパク質成分(TpiA-TpiB)から構成されることを昨年度明らかにした。今年度は、TPA取り込みシステムの生化学的特性について解析を行った。TPAで培養したE6株のTPA取り込み系の至適pHは7.5であった。TPAの取り込みに要求されるエネルギーを明らかにするために各種阻害剤の影響を調べた。その結果、carbonyl cyanide m-chlorophenylhydrazoneを添加した際に阻害が観察された。一方、バリノマイシンやATPase阻害剤を用いた時には影響は見られなかった。以上から、TPAの取り込みはプロトン駆動力に依存していることが強く示唆された。TPAの取り込みが他の芳香族カルボン酸の存在下で阻害されるか否かについて調べた。非標識のTPAを競合させた時に90%以上の[^<14>C]TPA取り込みの阻害が観察されたのに対して、イソフタル酸(IPA)及びフタル酸(OPA)の存在はTPAの取り込みに影響しなかった。本実験の培養条件では、TPA代謝系遺伝子群の転写が誘導されているが、IPA代謝系遺伝子群はほとんど発現しないことから、IPA共存下でTPAの取り込みが阻害されなかったという事実は、TphCがIPAを捕捉できないことを示唆している。一方、PCAの添加時に約60%のTPA取り込みの阻害が見られた。TPA培養時には代謝中間体であるPCAの代謝系遺伝子群が発現することから、本培養条件において未同定のPCA結合タンパク質が生成し、TpiA-TpiBと相互作用したことによってTPAの取り込みが阻害されたものと推察された。以上の結果から、TpiA-TpiBと相互作用する基質結合タンパク質がTphC及びIphC以外にも存在することが示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

今年度の研究においてテレフタル酸(TPA)の取り込みシステムの生化学的特性を明らかにすることができた。さらに、本取り込みシステムの膜成分であるTpiA-TpiBがTPA結合タンパク質およびイソフタル酸結合タンパク質に加えて、未同定のプロトカテク酸の結合タンパク質と相互作用する可能性が示唆され、一つの膜タンパク質装置が複数の基質結合タンパク質と相互作用する可能性を示唆する重要な知見を得た。

Strategy for Future Research Activity

今年度までの研究によってテレフタル酸(TPA)の取り込みシステムの全体像が明らかになってきた。最終年度においては、代謝系遺伝子とオペロンを組み誘導的に発現する基質結合タンパク質遺伝子に対して、膜タンパク質成分をコードするtpiBA遺伝子が構成的に発現するのか或は誘導的に発現するのかを明らかにする。またtpiBA遺伝子とTPA結合タンパク質であるtphC遺伝子をPseudomonas又は大腸菌において発現させることによってTPA取り込み能を再構成し、さらに代謝系遺伝子を共発現させることによりTPAからの高機能性有機材料の原料化合物である2-ピロン-4,6-ジカルボン酸(PDC)の生産性の向上を図る。

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] Comamonas sp.E6株における新規芳香族カルボン酸トランスポーターの解析2012

    • Author(s)
      木下雅喜
    • Organizer
      日本農芸化学会
    • Place of Presentation
      京都女子大学(京都)
    • Year and Date
      2012-03-23

URL: 

Published: 2013-06-26  

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