2012 Fiscal Year Annual Research Report
酵母由来の新規な経時寿命延長因子Ecl1ファミリーの解析
Project/Area Number |
22580079
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
饗場 浩文 名古屋大学, 創薬科学研究科, 教授 (60211687)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 酵母 / 寿命 / 老化 |
Research Abstract |
本研究では分裂酵母をモデルとして経時寿命の制御機構に関する解析を行った。特に経時寿命延長因子Ecl1ファミリーの発見をもとに、その機能解明を進め以下の成果を得た。(1)「分裂酵母Php2変異株が経時寿命を延長することの発見」出芽酵母のEcl1がHap2と相互作用することをヒントに、分裂酵母のPhp2(Hap2に相当)を解析した。その結果、分裂酵母のCCAAT結合転写因子複合体(Php複合体)のサブユニットをコードするphp2遺伝子が欠損することにより分裂酵母の経時寿命が長くなることを発見した。また、Δphp2株では、ミトコンドリアの呼吸関連遺伝子の発現が低下すると共に、当該遺伝子の上流にPhp2タンパク質が結合することを見出した。(2)「酵母を用いた長生き因子のスクリーニングと細胞寿命延長機構の解析」過剰発現により分裂酵母の経時寿命を延長する新規遺伝子をスクリーニングした。その結果、経時寿命延長遺伝子候補として複数の遺伝子を見出した。この中からSPBC16A3.08cに注目し解析を行い、SPBC16A3.08cが、出芽酵母のTOR経路に関わると予想されるStm1遺伝子の機能的オルソログであることを示した。16A3.08cの過剰発現とΔtor1株の表現型が似ていることから16A3.08cがTOR経路に関わっていると想定し、研究を遂行中である。(3)「出芽酵母のEcl1ホモログ:ScEcl1による経時寿命延長機構の解析」出芽酵母に見出したEcl1ファミリーScEcl1の高発現による寿命延長機構を解析し、ScEcl1高発現による経時寿命延長はカロリー制限と重複すること、ならびにScEcl1はカロリー制限と同様に呼吸と酸素消費を増加させることを見出した。詳細な解析の結果、ScEcl1はカロリー制限状態を模倣し、ミトコンドリアに依存して経時寿命を延長させることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(17 results)