2011 Fiscal Year Annual Research Report
糸状菌CCAAT配列結合複合体による鉄のホメオスタシス制御機構
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22580080
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
加藤 雅士 名城大学, 農学部, 教授 (70242849)
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Keywords | 糸状菌 / CCAAT配列 / HapX / DNaseIフットプリント法 / ゲルモビリティーシフトアッセイ / 転写因子 / チトクロムc / DNA結合 |
Research Abstract |
平成22年度に明らかになった鉄関連遺伝子プロモータにおけるHapXの結合配列に関する知見をもとに以下の成果を得た。 1.HapX認識配列に変異を導入し、in vivoでのHapX結合の影響を調べた。 平成22年度の解析で明らかになったHapXが結合できなくなるような変異プロモータを用い、HapX結合の抑制機構への影響をin vivoで調べた。具体的には野生型のチトクロームcプロモータと変異プロモータをレポーター遺伝子(lacZを用いる)に連結し、A. nidulansに導入後、β-ガラクトシダーゼ活性を調べることにより解析をした。その結果、鉄欠乏時にチトクロームcの発現が抑制されるのにはHapXおよびチトクロームcプロモータ上の推定HapX結合配列が必要であることが明らかとなった。 2.HapXの部分欠失変異リコンビナントタンパク質を作製した。 平成24年度の実験に用いるHapXの部分欠失変異リコンビナントタンパク質を調製した。HapXはN末端部分にHapB/C/E複合体と相互作用すると推定されているドメイン、それに続く塩基性のドメイン、鉄と相互作用することが推定されているシステインに富むC末端ドメインを有する。これらのドメインに着目して、各ドメインを分割するように部分欠失変異リコンビナントタンパク質を生産するような大腸菌の発現系を構築し、各欠失リコンビナントタンパク質を調製した。具体的には全長のHapXおよびDNA結合に重要と思われるN末端部分のHapB/C/E複合体との相互作用ドメインとそれに続く塩基性のドメインを含むような複数のリコンビナントタンパク質の発現系を構築し、リコンビナントタンパク質を取得することに成功した。これらを用いて平成24年度の実験を遂行する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、平成22年度にはin vitroによる解析でHapXの結合配列を決定することに成功し、それらの知見をもとに平成23年度にはその配列に変異を導入し、in vivoの解析により、結合配列の重要性を示すことができた。以上のように順調に研究は遂行されているため、(2)であると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
重大な問題点なく研究が遂行されているため、計画に基づいて今後も研究を遂行する。平成23年度は研究の遂行に重点を置いたため、成果発表が後回しとなった。平成24年度はまとめの年度であるので、成果発表を積極的に行いたい。
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Research Products
(1 results)