2011 Fiscal Year Annual Research Report
包括的高感度遺伝子発現プロファイリングに基づく高効率エタノール発酵細菌の育種
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22580084
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
簗瀬 英司 鳥取大学, 工学研究科, 教授 (20158033)
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Keywords | biofuel / ethanol / genomics / microarray / transcription / transcriptome / Zymobacter palame / Zymomonas mobilis |
Research Abstract |
Zymobacter palmaeは、沖縄の椰子汁発酵液から分離した新種のエタノール発酵細菌であり、酵母やZymomonas mobilisよりも優れた発酵特性を示す。申請者は、Zb.palmaeに対して集中的に育種を加え、リグノセルロース連続糖化並行発酵菌を創出するための研究を世界に先駆けて実施してきた。これまでに、Zb.palmaeの宿主・ベクター系を独自に開発し、セロオリゴ糖糖化発酵性やヘミセルロースに由来するキシロースとマンノース発酵性の付与に成功するとともに、Zb.palameのゲノム解析も実施して全ゲノムの完全解読に成功している。 平成23年度では、新たなトランスクリプトーム解析法として開発されたHiCEP(High Coverrage Expression Profiling:包括的高感度遺伝子発現プロファイリング)技術とDNAマイクロアレイ解析技術を利用して、組換えZb.palmaeのエタノール発酵条件下における糖輸送代謝およびストレス応答に密接に関連した遺伝子群とその発現制御の全容を解析し、酸性ストレスに応答したアミノ酸生合成関連酵素遺伝子群の発現上昇を見出した。さらに、アミノ酸生合成系の発現上昇を制御するシグマ因子の存在を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
HiCEPとマイクロアレイの組み合わせにより、新規発酵細菌のエタノール発酵下での遺伝子発現の網羅的な解析が終了し、特徴的な糖輸送・糖代謝関連酵素遺伝子群を特定できた。さらに、ストレス負荷により、ある種のアミノ酸生合成がシグマ因子により活性化することを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
高効率なエタノール発酵を可能にするために、H23年度までに特定した糖代謝系のキー酵素遺伝子の活性化を検討し、発酵速度の向上を図る。さらに、ストレス応答シグマ因子遺伝子のクローニングと機能解析を行い、ストレス耐性強化を図る。
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