2011 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22580085
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
水田 啓子 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 教授 (40166012)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
船戸 耕一 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 准教授 (30379854)
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Keywords | リボソーム生合成 / 小胞輸送 / ストレス応答 / 核膜 / 核小体 / 出芽酵母 |
Research Abstract |
私たちは、分泌経路の遮断によってリボソーム生合成が転写レベルで制御されることを示し、さらに、このシグナル伝達に重要な機能をもつ因子としてリボソーム生合成調節タンパク質Rrs1とEbp2を同定している。しかし、これらのタンパク質がどのようにシグナル伝達にかかわるかについては不明な点が多い。私たちは最近、Rrs1とEbp2が核小体以外に核膜辺縁にも局在することを見出した。本研究ではRrs1とEbp2の核膜における機能を解析することによって、リボソーム生合成と小胞輸送の連携の分子機構を解明することを目的とする。 本年度は、Rrs1とEbp2が核膜において核形態の維持およびテロメアのクラスター形成・サイレンシングに機能を持つことを示し、論文発表した(EMBO J 2011)。rrs1/ebp2変異株における2つの欠陥-リボソーム生合成と核膜における機能-のうち、核小体におけるRrs1/Ebp2の機能を回復させないで核膜における機能のみを回復する系を確立した。この系を用いて、小胞体ストレスによるシグナル伝達に、核膜に局在するRrs1とEbp2が必要なのかどうかについて現在検討中である。 また、Ebp2のリボソーム生合成における機能を詳細に解析し、論文発表した(Nucleic Acids Res 2012)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
核小体と核膜におけるRrs1とEbp2の機能-リボソーム生合成とテロメアの恒常性維持-を明確に区別することができ、その成果を論文に発表することができた。また、来年度に向けて、核膜に局在するRrs1とEbp2が小胞体ストレスによるシグナル伝達に必要なのかどうかについて調べる系を確立した。
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Strategy for Future Research Activity |
核膜に強制的にRrs1またはEbp2を発現させる系と、逆にRrs1とEbp2を核膜から遊離させる系を確立した。それぞれのの小胞体ストレスによるシグナル伝達を調べることによって、小胞体ストレスによるシグナル伝達に、核膜に局在するRrs1とEbp2が必要なのかどうかについて明確な結論を出せる予定である。
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Research Products
(11 results)