2011 Fiscal Year Annual Research Report
酵母におけるエピジェネティックな転写制御の解析とその応用
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22580086
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
土屋 英子 広島大学, 大学院・先端物質科学研究科, 教授 (90127671)
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Keywords | ヒストン脱アセチル化 / 転写制御 / クロマチン構造制御 / S.cerevisiae / 減数分裂 |
Research Abstract |
本研究は、出芽酵母の減数分裂開始におけるヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)の活性制御と減数分裂初期遺伝子IME2の転写タイミング制御の分子機構の解析を目的として行い、23年度の研究で以下の成果を得た。 1)モデル真核生物酵母を用い、ヒトHDAC1と相同性の高いRpd3-Sin3複合体の細胞内での活性阻害に働く因子を探索することを目的として研究を行った。方法は以下の通りである。HDACによって抑制を受けるINO1のプロモーターの下流にHIS3遺伝子を挿入したレポーター遺伝子はHDACの作用によって発現が抑制されるため、この遺伝子をどう持つhis3株はヒスチジンを欠く最小培地(-His培地)では生育できない。しかし遺伝子量の増加によりHDAC阻害因子を多量に発現させれば生育可能になることが期待される。昨年度に引き続き、この株に多コピー遺伝子ライブラリーを形質転換して得られた,約60万の形質転換株から候補遺伝子を選抜し、最終的に1種の候補が得られた。配列解析と遺伝子切り詰め実験の結果これらはUME6遺伝子の部分配列を含むものであることを明らかにした。 2)減数分裂初期遺伝子IME2の発現タイミングの調節に関わる因子を探索した結果、HAC1とSET3がこれに働くことを昨年度の研究で見出した。それぞれの蛋白質が実際にIME2遺伝子のプロモーター上に結合するかを検討した結果、後者がHDAC依存的に結合することを明らかにした。Set3タンパク質は八種のサブユニットで構成される複合体の因子で、この複合体にはHos2と呼ばれるHDACが含まれている。IME2遺伝子の発現タイミング制御がこのHDAC活性によるものであるかについて、破壊株を用いて検討した結果、HDAC活性には依存しない事を明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究実績の1)で述べたスクリーニングについては60万株の形質転換体について検討を加えたが、現在目的遺伝子の検出には至っていない。一方、2)で述べた転写タイミング調節に関してはぼぼ順調に解析が進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
細胞内におけるHDAC活性制御因子については、複数の因子の協調的な作用による可能性や、複合体による可能性も考えられ、単純な一遺伝子の高発現では目的とする因子の同定に至らない可能性が考えられる。このため、スクリーニング方法について再検討を加える予定にしている。 転写タイミング調節機構の解析については、予定通り進める。
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Research Products
(10 results)