2012 Fiscal Year Annual Research Report
酵母におけるエピジェネティックな転写制御の解析とその応用
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22580086
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
土屋 英子 広島大学, 先端物質科学研究科, 教授 (90127671)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | ヒストン脱アセチル化 / 転写制御 / クロマチン構造制御 / S. cerevisiae / 減数分裂 / HDAC1 |
Research Abstract |
本研究は、出芽酵母の減数分裂開始におけるヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)の活性制御と減数分裂開始における機能、特に初期遺伝子の転写制御の分子機構の解析を目的として行い、24年度の研究で以下の成果を得た。 ヒトHDAC1と相同性の高いRpd3-Sin3複合体の減数分裂開始における機能として、新たに中期遺伝子の転写制御因子NDT80の転写を正に制御することを見いだした。NDT80のプロモーターにはRpd3-Sin3複合体の結合サイトであるURS1と、自身が結合してポジティブフィードバック機能を果たすためのMSE配列が存在している。栄養増殖時にはURS1にRpd3-Sin3複合体、MSEにSum1/Hst1という抑制因子が結合し二重に転写の抑制を行っている。Rpd3-Sin3複合体は減数分裂開始に伴い、初期遺伝子IME2での場合と同様に、一過的な活性の抑制を受けIme1の結合を促し転写を開始させると同時に、Sum1/Hst1の解離に必要であることが分かった。このため、rpd3破壊株ではNDT80の転写は起こらないが、rpd3sum1二重破壊株ではNDT80の転写が観察できた。しかし興味深いことに野性株では転写開始後2時間以降に急激な転写量の上昇が観察されたのに比べ、二重破壊株ではこの上昇が全く観察されなかった。従ってRpd3-Sin3複合体はSum1/Hst1の解離に加え、Ndt80によるポジティブフィードバックにも必要であることが分かった。さらにこの制御におけるクロマチン構造レベルでの理解を得るため、プロモーター領域のヌクレソームの配置についてMNaseを用いた解析を行った結果、rpd3破壊株ではTATA配列をマスクするヌクレオソームの移動が起こらないことが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)