2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22580087
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
阿座上 弘行 山口大学, 農学部, 准教授 (40263850)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野杁 由一郎 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (50218286)
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Keywords | 歯周病 / ゲノム再編 |
Research Abstract |
ピロガロール型Bリングやガロイル基を持つカテキン類の添加によりE.corrodensのバイオフィルム形成が抑制された。このうち、ピロガロール型Bリングを持つカテキン類には増殖抑制効果は見られなかった。さらに、ガロイル基を構成する没食子酸の添加により増殖阻害なしにバイオフィルム形成を抑制した。これらの結果より、ある種のカテキン類は最小生育阻害濃度以下でバイオフィルム形成を抑制することが示唆された。近年、クオラムセンシングがバイオフィルム形成を調節することが明らかとなり、数多くの研究が進められている。そこでAI-2合成に関与するluxS遺伝子を欠損させた変異株を用いて、カテキン類のバイオフィルム抑制効果におけるクオラムセンシングの関与を調べたところ、最小生育阻害濃度以下のエピガロカテキンガレート(EGCg)に見られたバイオフィルム抑制はluxS欠損株では見られなかった。これらの結果から、ガロイル基をもつカテキン類はAI-2を介したQSを阻害し、これによってバイオフィルム形成を抑制する可能性が示唆された(学術雑誌Biosci.Biotechnol.Biochem,2010に論文発表)。 また、本菌がプラスミドDNAを介したゲノム再編により、溶血活性が発現することを示した。さらに、このゲノム再編により口腔上皮細胞への付着が上昇すること、この付着の上昇はゲノム再編によるレクチン活性の増加に伴うものであることを明らかにした。一方、ゲノム再編により口腔上皮細胞への侵入能力は低下した(Pacifichem 2010などの国内外の学会で発表、学術雑誌Biosci.Biotechnol.Biochem,2011に論文発表)。
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