2010 Fiscal Year Annual Research Report
耐熱性DNA修復促進タンパク質の構造機構解析による実用化アプローチ
Project/Area Number |
22580098
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
鳴海 一成 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (90343920)
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Keywords | 遺伝子 / 微生物 / タンパク質 / DNA修復 / 耐熱性 |
Research Abstract |
放射線抵抗性の好熱菌デイノコッカス・ジオサーマリス(Deinococcus geothermalis)のDNA修復促進タンパク質PprAの機能解析のため、ゲノム上のpprA遺伝子(Dgeo_<2628>)及びその上流の231bpプロモーター領域をカナマイシン耐性遺伝子と二重交叉で交換し、遺伝子破壊株XGPA1を作製した。XGPA1株は、野生株に比べて、ガンマ線、紫外線、マイトマイシンCに感受性を示した。このことから、pprA遺伝子は、デイノコッカス・ジオサーマリスのDNA修復機構に重要な役割を持つことが明らかになった。次に、ゲノム上のpprA遺伝子及びその上流の231bpプロモーター領域を含む計1140bpをPCR増幅し、予め構築しておいたデイノコッカス・ジオサーマリス-大腸菌シャトルベクターpGEC1のEcoRV部位に挿入し、発現ベクターpDG2628L1を作製した。この発現ベクターを遺伝子破壊株XGPA1に導入したプラスミド相補試験株XGA1(pDG2628L1)は、XGA1株の感受性を相補し、ガンマ線、紫外線、マイトマイシンCに対して、野生株レベルに耐性を示した。この結果は、pprA遺伝子発現がデイノコッカス・ジオサーマリスのDNA修復にとって重要であることを裏付けるものである。今後は、放射線照射前後におけるデイノコッカス・ジオサーマリス細胞内のPprAタンパク質プロファイルを調べるとともに、組換え大腸菌を用いてデイノコッカス・ジオサーマリスPprAタンパク質を精製し、タンパク質構造解析を進める予定である。
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