2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
22580105
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
桝田 哲哉 京都大学, 地球環境学堂, 助教 (80311744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北畠 直文 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (30135610)
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Keywords | 甘味 / ソーマチン / 変異体 / Pichia Pastoris / X線結晶構造解析 / 甘味受容体 |
Research Abstract |
タンパク質は一般的に無味であるが、例外的に甘味を呈するタンパク質が存在する。甘味タンパク質の特徴を見出すことにより、糖代替物として利用が可能であると目論み国内外で多くの研究がなされている。本研究は甘味タンパク質ソーマチン変異体の結晶化を行い、大型放射光施設SPring8にて高分解能のデーターを取得し、変異体およびリコンビナントソーマチン間の構造の比較を行うことで、ソーマチンの強い甘味を決定付ける構造的要因を明らかにすることを目的としている。昨年度はリコンビナントソーマチンの大量発現系の構築(Masuda et al.. Food Sci. Technol. Res., (2010) 16, 585-592.)ならびに結晶化を試み、それぞれPDBに構造をdepositした(3AL7, 3ALD)。構造比較の結果、リコンビナントソーマチンの電子密度が植物ソーマチンと比べ、バリアント間で異なる部位で顕著な改善がみられた。またR82Qについて結晶化を試み高分解能のデーターを収集した。現在、精密化を行っており、他のリコンビナントおよび変異体との構造比較により、ソーマチンが有する特異な甘味発現に必要な構造的要因が明らかになるものと考えられる。次にソーマチンの酸性アミノ酸残基について変異体作製を行い、酸性アミノ酸残基の甘味に与える影響について検討を行った。その結果、多くの酸性残基はほとんど甘味に影響を与えないことが明らかとなった。またその研究過程において甘味が強化された変異体の取得を行うことができた。現在、甘味が強化された変異体の構造解析を進め、甘味増強のメカニズム、新規な甘味料のデザインに応用可能な構造生物学的知見を得ることを目的に研究を継続している。さらに甘味受容体発現細胞を用いた実験よりソーマチンが受容体のシステインリッチドメインと相互作用する知見も昨年度得ることができた。
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Research Products
(7 results)