2011 Fiscal Year Annual Research Report
新規かつ複雑な構造の天然生物活性物質の探索・全合成と薬剤リード開発への展開
Project/Area Number |
22580112
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
清田 洋正 東北大学, 大学院・農学研究科, 准教授 (30234397)
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Keywords | 抗性物質 / cortistatins / Aspergillus puniceus / enacyloxins / JBIR-23 / maoecrystal V / echinopines / 全合成 |
Research Abstract |
1.カナダ産イチイTaxus canadensisからこれ迄例のないタキサンペルオキシド(7,9-エピジオキシ化合物)や13-H-4(20),12-タキサジエンを単離、構造決定した。日本産イチイTaxus cuspidataから得たタキサンからこれ迄例のないタキサテトラエンを得た。また新規骨格を有するアビエタン二量体を単離した。キク科ノコギリソウ属植物からも新規なグアイアノリドやその二量体(新規骨格)を得、構造決定し、achillinin A-Cと命名した。それぞれ中程度の抗ガン作用を示した。 2-1.植物成分エチノピン合成においてトリシクロ環骨格への立体選択的な側鎖導入から環化反応の検討を行った。 2-2.マオエクリスタルVの新規合成経路においてパラジウム触媒カルボニル化反応によりビシクロオクタン骨格へのC1単位の導入に成功した。 2-3.海洋スポンジの成分コルチスタチン類の新規アナログEI-hybrid A,B,C3種の合成に成功した。銅触媒を用いたエーテル化反応によりABC環のゼデル合成を行った。 2-4.抗生物質JBIR-23において、マイケル反応に続く分子内アルドール反応によって2環性骨格を構築、さらに辻-トロスト反応とエーテル環化より、新規な4環性骨格化合物の合成に成功した。 2-5.プラテンシマイシンにおいて、剛性に必要な炭素単位を全て備えた連続環化反応の基質を合成した。 2-6.抗生物質エナシロキシン類において、Marshall法を用いた新規なC9'-C15'単位の合成法を開発した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.新規化合物だけでなく、貴重な化合物資源となる新規骨格化合物を多数単離構造決定することができたことを高く評価する。 2.植物成分・海洋成分・抗生物質それぞれの合成研究において、目的を凌駕するもの、至らぬものまちまちであるが、平均的にはほぼ予定通りである。
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Strategy for Future Research Activity |
テーマ1,2ともに順調であり、これまでと同様に研究を進める予定である。2の合成研究において、手段を尽くしても達成できないものについては、計画の抜本的見直しを行い、新規な合成経路での検討を行う必要がある。
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Research Products
(31 results)