2010 Fiscal Year Annual Research Report
花芽誘導活性を有する脂肪酸KODAの光学活性類縁体の化学合成
Project/Area Number |
22580114
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
戸嶋 浩明 茨城大学, 農学部, 教授 (50237088)
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Keywords | 花芽誘導活性 / 植物生理活性 / 脂肪酸 / シクロプロパン / KODA / 光学活性体 |
Research Abstract |
花芽誘導活性やいくつかの植物生理活性を有する脂肪酸(12Z,15Z)-9-hydroxy-10-oxo-12,15-octadienoic acid(KODA)のシクロプロパン環導入型光学活性類縁体4種類のうち2種類(9R,12S,13R,15Z)-CPKODAおよび(9S,12S,13R,15Z)-CPKODAを合成した。4種類の標的分子を2分割した光学活性体スルホンセグメント(C_<11>~C_<18>)および光学活性体アルデヒドセグメント(C_1~C_<10>)として、それぞれを両鏡像体として作り分けた。それらの光学純度はキラルカラムを用いたHPLC分析で99%e.e.以上であることを確認した。スルホンセグメントはメソ体のシクロプロパンジエステルをリパーゼで加水分解することでキラルモノエステルを合成し、必要な増炭とカップリングに必要な活性化官能基であるスルホンを導入して合成した。アルデヒドセグメントは9-デセン-1-オールの水酸基保護体に対してSharpless不斉ジヒドロキシル化で必要な9位不斉炭素の立体配置を導入し、2級水酸基保護や酸化を経て合成した。上記2種類のCPKODAの立体配置をもつセグメント間でカップリングし、10位ケトンの導入、スルホンの還元的除去、1位カルボキシルへの酸化等の官能基変換を経て合成を達成した。2種類のCPKODAジアステレオマ-は^1H-NMRで部分的に明確に異なるシグナルが存在し、さらに両者間でエピメリ化によるシグナルは見られなかった。よってカップリングとその後の官能基変換によりセグメントにおける光学純度が損なわれていないことが判明した。
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