2011 Fiscal Year Annual Research Report
希少糖エステルライブラリーからの新規な抗線虫薬の探索
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22580122
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
佐藤 正資 香川大学, 農学部, 教授 (20263890)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川浪 康弘 香川大学, 農学部, 教授 (30169742)
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Keywords | 希少糖 / 抗線虫薬 / C. elegans |
Research Abstract |
人や家畜の寄生線虫症治療薬(抗線虫薬)に対する薬剤耐性虫の出現が深刻な問題となっている。そのため,従来の抗線虫薬とは全く異なる作用モードを持つ薬剤の開発が望まれている。糖をリード化合物とした抗線虫薬はこれまでに無く,新しいクラスの薬剤の開発につながる可能性がある。本研究では、D-グルコースのC-3エピマーである希少糖D-アロースの脂肪酸エステルの抗線虫活性について検討を行なった。抗線虫活性試験には、同調培養によって得られたC.elegans第一期(L1)幼虫を用いた。試験容器には24ウェルフレートを用い,液体培地中20℃で培養を行った。72時間後の死亡率からLC_<50>値を計算し,抗線虫活性の評価を行った。D-アロースと炭素鎖長の違う直鎖脂肪酸(C8,C10,C12)を,リパーゼを用いた位置選択的エステル化によって6-O-脂肪酸エステル(A11-C8,A11-C10,A11-C12)とした。LC_<50>値はA11-C8が204μM,A11-C12が343μMであった。A11-C10には1.25mMでも抗線虫活性が認められなかった。短鎖脂肪酸には抗線虫活性が報告されているが,我々の方法でD-グルコース-C8エステルのアッセイを行ったところ抗線虫活性は認められなかったため,加水分解された短鎖脂肪酸が活性の本体であるという可能性は否定できた。D-アロースそのものの抗線虫活性は非常に弱いが、脂肪酸エステル化によって活性が大幅に上昇した。以上の結果から、希少糖誘導体を抗線虫薬として使用できる可能性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度まででD-アロースのエステル誘導体の抗線虫活性の構造活性相関をほぼ明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度である平成24年度は、最も活性が強かったD-アロースの誘導体について動物寄生性線虫であるイヌカイチュウをもちいて活性を評価する予定である。
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Research Products
(1 results)