2012 Fiscal Year Annual Research Report
希少糖エステルライブラリーからの新規な抗線虫薬の探索
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22580122
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
佐藤 正資 香川大学, 農学部, 教授 (20263890)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川浪 康弘 香川大学, 農学部, 教授 (30169742)
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Project Period (FY) |
2010-04-01 – 2013-03-31
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Keywords | 抗線虫薬 / 希少糖 / C. elegans / D-アロース |
Research Abstract |
人や家畜の寄生線虫症治療薬(抗線虫薬)に対する薬剤耐性虫の出現が深刻な問題となっており,そのため,従来の抗線虫薬とは全く異なる作用モードを持つ薬剤の開発が望まれている。研究代表者は,モデル生物である非寄生性線虫C.elegansを用いて,希少糖の中から新たな抗線虫薬候補を探すスクリーニングを行った。その過程でD-プシコース及びD-アロースに成長阻害活性があることを明らかにした。しかし,糖類は親水性が高く生体膜透過率が低いため,活性を発揮するのには高濃度が必要である。膜透過性を向上させれば,希少糖の抗線虫活性は強まると考え,糖の第一級水酸基をリパーゼで選択的にエステル化し,希少糖の脂肪酸エステル誘導体を合成した。D-アロース脂肪酸エステル誘導体は,D-アロースと比べて約1/1000の濃度で活性を示し,それは致死性のものであった。そこで合成したD-アロースのオクタン酸エステル(D-All-C8),デカン酸エステル(D-All-C10),ドデカン酸エステル(D-All-C12),対照としてD-グルコースのオクタン酸エステル(D-Glc-C8)について殺線虫活性を調べた。D-All-C8とD-All-C12の LC50はそれぞれ,204μM, 343μM となり,D-アロースが成長阻害活性を現した濃度の約1/1000で殺線虫活性があることが分かった。D-All-C10とD-Glc-C8は活性を認めなかった。エステル誘導体と対応する脂肪酸の活性を比較すると,D-All-C8はオクタン酸の活性よりも明らかに高いこと,D-All-C10とD-Glc-C8で効果が見られないことから,線虫の体内で加水分解されず,エステルのまま致死性の効果を発揮しているものと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(2 results)